永井氏が日産の社外役員であった在任期間が長すぎるということも、影響を与えたと考えられます。
永井氏は2019年6月に社外取締役に就任し、既に7年が経過しています。日産の内規では、社外取締役の在任期間の上限は8年であり、永井氏はこの期間には抵触していません。しかし、取締役就任前の2014年から社外監査役を務めていた経歴があるのです。
この期間を加えると実に12年の長期間にわたって、社外役員の立場で経営監督の一翼を担ってきたと言えます。12年はどう考えても長く、経営を監督する立場としては、経営陣とのなれ合いが気になるところではあります。
さらに永井氏は、カルロス・ゴーンCEO時代の監査役でした。ゴーン氏が会社資産の私物化を含め特別背任罪に問われた「ゴーン事件」を見過ごしたことは、その立場から考えて大きな落ち度であったと言えるでしょう。
また、2019年の取締役就任後は、監査委員会委員長に加えて指名委員会、報酬委員会の委員も務める要職にありました。特に指名委員会委員としては、業績不振による巨額赤字の責任を取って辞任した内田誠前CEOを選任しています。この点について「(永井氏を含む3人の社外取に対し)責任あり」として辞任すべきという株主提案も過去に提出されているのです(日産は議案として取り上げず)。
このように、異例と言える永井氏の社外取締役選任議案の否決には、複数の要因が関わっています。特にメインバンクグループのOBであるという点が問題視されたことは、落ち着いて考えれば、独立社外取締役候補として疑問符がついて当然のことと思えます。
日産は永井氏の監査役就任後、12年にわたってこの点を見過ごしてきました。今回大株主のルノーが棄権を表明し、米議決権行使助言会社が反対を推奨したことは、単に「日産の問題」としてだけでなく、欧米における常識が日本の上場企業に対して示されたとも言えそうです。
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