7月下旬に入ると、その疑念が深まる材料が相次いだ。
中国のメモリメーカーであるCXMTの、上海証券取引所上場がその一例だ。この上場を受け、米サンディスク株は7月27日、一時14%超安の1226.9ドルまで急落した。
キオクシアと同じ分野であるメモリ大手である、このサンディスクの急落が、翌7月28日のキオクシアを直撃したのだ。
キオクシア株はこの日、2度目のストップ安となり、5万円の大台を割り込んだ。同じ日、韓国ではSKハイニックス株が前日比14.65%安の155万ウォンで引け、韓国総合株価指数もサーキットブレーカーが発動する波乱の相場となった。日韓のメモリ株が同時に売り込まれる、AIメモリ相場の総崩れである。
中国メモリ勢が最先端に近い製造装置を国産で調達できるようになれば、DRAM・NANDの供給制約という前提そのものが揺らぐ。
日本の半導体株を見るうえで、もはや国内動向は氷山の一角にすぎない。
世界的な地合いの悪化とは別に、キオクシア固有の需給要因も見逃せない。同社をここまで育てた筆頭株主が、1株残らず降りていたことである。
ベインキャピタルのデービッド・グロス氏は7月8日、キオクシア株をすべて売却したことを明らかにした。
ベインは2018年、当時「東芝メモリ」だった同社を、日米韓連合を主導する形で約2兆円で東芝から買収。推定利益は約2.5兆円と報じられており、近年のプライベートエクイティの投資案件の中でも、屈指の成功事例とされる。
ここで注意したいのは、市場の当初の反応である。この報道を受けた7月9日、キオクシア株は売り圧力の消滅を好感して一時11.24%高の7万9950円まで買われた。
PEファンドにとって投資資金の回収は仕事であり、売却自体は当然の行動である。だがその結果として、市場の間には疑心暗鬼が広がった。8年にわたり内情を知り尽くし、キオクシアを今の地位まで引き上げた大株主が消えたことは、よく考えればこれ以上の伸び代が期待できないとも解釈されうる。
書類でよく見る「シヤチハタ不可」、シヤチハタ社長に「実際どう思ってますか?」と聞いたら意外すぎる答えが返ってきた
「あの時気付いていれば……」 モンスター社員を面接で見抜く、たった一つの重要質問
ニトリHDの時価総額半減……「36期成長神話」が崩壊した、これだけの理由
サンリオ株価、まさかの「ほぼ半値」に……なぜ? ジャパンIPに降りかかった災難の正体Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング