松のやを運営するのは、牛めしチェーン「松屋」で知られる松屋フーズだ。外食大手とあって、「あの松屋でも、いまだに“この感覚”なのか」といった論調のバッシングは少なくない。
しかしながら「ママ応援企画」はそこまで非難されるようなことだろうか?
当初から「パパ応援企画も考え中です」と明言しており、「子どもの食事の用意=母親の役割」と一面的に決めつけているわけではないからだ。
また炎上への対応として、キャンペーンの対象を「ママと子ども」以外にも広げざるを得なくなった。キャンペーン内容の変更時には「この価格でご提供できる数には限りがあるため、実施期間は短くなってしまうかもしれません」と発表している。対象者を全員に広げたことで、新たに予算面における課題が浮上したことは間違いないだろう。
今回のキャンペーンは「顧客ターゲットの拡大」を狙ったのではないか。
筆者もたまに松のやへ行くが、どちらかといえば男性の1人客を見かけることが多い。子連れ客を安定して獲得することができれば、売り上げ拡大につながる。
ただし、顧客への「伝え方」には工夫の余地があったのではないか。つまり、あえて「ママ」に限定する必要はあったのかということだ。
対象を絞り込むには、相手(ここでは消費者)にその理由を納得してもらう必要がある。そのコミュニケーションが不十分のまま、企業側の論理のみで推し進めてしまえば、本来は避けられた“火種”に、自ら飛び込んでいるのと同じだろう。
となれば、当初からキャンペーン期間を短くした上で、「パパママ応援企画」と銘打った方が、炎上を回避する意味では良かったかもしれない。顧客にどこか「対象期間を長くするために対象者を絞ったのではないか」と思わせてしまったことが、炎上がここまで燃え広がった要因ではないだろうか。
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