待遇を改善したことで組織の若返りも進んだ。かつて48歳だった運転手の平均年齢は42歳まで下がり、営業所によっては38歳のところもあるという。2025年はゼロだった大学新卒者からの応募は、2026年に18人、2027年卒では2026年6月時点で22人に達している。前年は夏以降に実施した採用活動を今年は春から始め、応募はさらに増える見込みだ。
若返りによる効果は、組織の活性化だけではない。もう一つが、安全だ。
高速道路で乗客の命を預かる以上、運転手が運転中に体調を崩す事態は避けなければならない。高血圧や高血糖など、生活習慣に起因する症状のリスクは、加齢とともに高まりやすい。若い担い手を増やすことは、その意味でも理にかなう。そして、年齢にかかわらず社員の健康を守るため、同社は「健康経営」を掲げている。
年2回の健康診断に加え、3年に1回は脳ドックや血管のCT検査を行う。運転中の眠気を検知する機器を入れ、保健師が常駐して一人一人の体調を見守る。検査で血管の異常が早期に見つかり、大事に至る前に手術を受けた社員もいる。
体調に不安があれば、無理に運転をさせない。「健康に不安を抱えたまま、良いサービスは提供できない」と平山社長は語る。
一方、若手が増えたことで、新たな課題も生まれている。目立つのは、家庭の事情による離職だ。結婚や出産を機に、宿泊を伴う勤務を続けるのが難しくなる。育児休業を取る人も増え、若い人ほど、家庭との両立が課題となる。若返りと定着の両立は、引き続き課題といえる。
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