松屋フーズHDは2月16日、公募増資などで最大101億円を調達すると発表した。
公募による新株発行は140万株で、当時の発行済み株式総数(約1906万株)の約8%にあたる。同社の公募増資は1999年12月以来、26年ぶりだ。
資金使途は「松屋」を中心とした新規出店費用だ。同社は1月につけ麺「六厘舎」などを手がける松富士を買収し、ラーメン領域にも手を広げている。牛丼一本足打法から脱却し、ゼンショー型の多ブランド展開モデルへかじを切る方向性は理解できる。
だが、2027年3月期の連結経常利益予想は84億円と、前期比でわずか0.7%増にとどまる見込みだ。出店の加速に向けた先行投資が重荷となり、短期的には利益が押し下げられる形となっている。
同社の30倍という高いPER(株価収益率)を支えていた成長シナリオに、増資による株式の希薄化と、横ばいの成長率が疑念をもたらしたのだ。
株主還元への姿勢も、物足りない印象はぬぐえない。
松屋フーズHDの2026年3月期の配当性向は12.2%で、1株当たり配当金は24円。EPS(1株当たり純利益)が196.74円と過去最高水準に達しても、配当は増えていない。この24円は2018年3月期から9期連続で据え置かれている。
2027年3月期は26円に増配する予定だ。ただし増える2円の中身は、2026年6月に迎えた創業60周年を記念した「記念配当」であり、中間・期末にそれぞれ1円ずつ上乗せするもの。普通配当は24円のまま据え置かれる。
吉野家HDの2026年2月期の配当性向はというと30.5%であり、18.3ポイントの差がある。
つまり、松屋フーズHDの純利益は過去最高で、増資で発行済株式数は約8%増え、配当は9期据え置き。株主の取り分という観点では、増えたのは株式数だけだった。
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