本連載は、国際情勢やビジネス動向を深掘り、グローバルな課題とそれが企業に与える影響を分析する。米中関係やテクノロジー業界の変動、地政学的リスクに焦点を当て、複雑な要素を多角的に捉えながら、現代社会の重要な問題を分析。読者にとって成功への洞察を提供していく。
最近、近所の「ドン・キホーテ」に立ち寄ったら、客であふれかえっていた。今更ながら、手に入らないものはないと言ってもいいほどの品ぞろえだ。日用品から食品、家電、コスメ、菓子、旅行用品、キャラクター雑貨まで、あらゆる商品が天井近くまで積み上げられた棚に圧倒された。だが、それ以上に驚いたのが、外国人客の多さだった。
明らかにインバウンド客の存在感が大きい。通路のあちこちで異国語が飛び交う。もはや近所のディスカウントストアというより、観光地の一つと言ったほうがいいくらいだ。
実際、数字を見ても、それは明らかだ。ドンキを運営するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(HD)の2026年6月期の免税売上高は2286億円で、過去最高を記録。前年比で31.2%増加している。同HDが算出した、訪日客のうち、ドンキを訪れた人の割合は29.1%に達した。
実はこの現象、日本のドンキに限った話ではない。海外の量販店やスーパーマーケットを観光目的で訪れる行動は、世界的なトレンドになりつつある。
世界的なホテルチェーンのヒルトンが、14カ国の1万4000人以上の旅行者を対象に実施した調査をまとめた「2026年のトレンドレポート」によれば、世界の旅行者の77%が「グロサリーストア・ツーリズム(grocery store tourism)」を楽しんでいるという。旅先で現地のスーパーの棚を眺め、ローカルな食を試すことが、いまや旅行体験の中核の一つになっている。
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