「インクが出ない」が武器になった ゼブラがボールペンの弱点を逆転させた理由アセットの「再定義」(1/5 ページ)

» 2026年08月30日 07時00分 公開

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特集:アセットの「再定義」サバイバル

既存の強みや過去の成功体験が、変化の激しい現代では足枷になる――。そんな危機感を持つデジタル戦略リーダーに向け、本特集では保有資産を時代に合わせて読み替える「アセットの再定義」を徹底解剖。自社のコア技術やノウハウを新たな価値を持たせる、企業の具体策を探ります。

 紙にもiPadにも、同じペン先で書けるボールペン――。紙に書くために進化してきたボールペンを、デジタル時代に合わせて再定義した製品が登場した。

 ゼブラとエレコムが共同開発した「スタイラスツーウェイ」(実売価格1万6500円)だ。同じペンで紙とiPadに対応するために、既存の技術をどう生かしたのか。

photo 紙もiPadも同じペン先で書ける「スタイラスツーウェイ」(画像はゼブラ提供、以下同)

 スタイラスツーウェイは、紙とiPadで異なる摩擦が生じることを利用したペンだ。紙では摩擦によってペン先のボールが回転し、ジェルインクが出る。

 一方、滑らかなiPadの画面ではボールが滑って回転せず、インクが出にくい。その状態でペン先がタッチ入力を伝えることで、1本のペンをボールペンとスタイラスの両方として使える。

photo どんな仕組みなのか

 クリップをノックするとペン先が出て、同時に電源が入る。iPadへのBluetooth接続は不要だ。本体は全長約16センチで、ボールペンとしてはやや長い。ボール径は0.5ミリ、軸色は白と黒の2色。約30分の充電で約7時間使え、インクがなくなれば替芯を交換する。

 2018年以降のiPadに対応し(一部機種を除く)、画面にはガラス製のフィルムを貼る必要がある。紙のようにざらついた質感のフィルムでは、ボールが回転してインクが付く恐れがあるためだ。

photo ゼブラとエレコムが共同開発

 ペン先を切り替えて使うタイプのペンは、市場に以前からあった。本製品には切り替える操作そのものがない。ゼブラによると、ボールペンタイプのスタイラスペンとしては、同社調べで世界初だという。

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