スーパーから「値引きシール」が消える? 「2割引」「半額」の舞台裏で起きていること値引きをAIに任せる(3/6 ページ)

» 2026年09月07日 06時00分 公開
[田窪綾ITmedia]

「まだ値引きしなくていい」とAIが判断する場面も

 AI値引きの導入を機に、藤三では値引きの方法そのものも変えた。店舗ごとにバラバラだった値引き回数を1日3回とし、実施時刻も各店の閉店時間や夕方の販売実績をもとに統一した。

 決められた時間になると、ラベルプリンターを売り場に移動させて作業を行う。例えば、夕方のある時点で、閉店までに何人が来店するかを予測する。さらに過去の販売実績から、定価なら何個売れるか、2割引なら何個売れるか、半額なら何個売れるかなどのパターンを割り出し、現在の売り場在庫を組み合わせる。

 商品を閉店まで残しつつ、廃棄を抑えるための割引率を算出する仕組みだ。従来は店舗に用意された数種類のシールから選んでいたが、AI導入後は10〜50%の範囲で、商品カテゴリーや残数に応じて割引率を細かく設定できるようになっている。

商品ごとにサトーの端末でバーコードを読み取り、値引きラベルを発行する(画像提供:藤三)

 経験や感覚で判断していたときは、商品が多く残っていると感じれば、複数の商品に同じ値引き率を適用することもあった。しかしAIの場合、その時間に残っている商品の数が少なく、閉店までに十分売れると予測すれば値引きしない判断も行う。

 「売れる商品は、無理に値引きしなくてもいい。また、閉店に近い時間でも低い値引き率で売れる商品もあるので、結果として値引き額が減り、売り上げも増えました」と角田氏は説明する。

 だが、AIでも予測が難しい日はあるという。年に1度の祭りの日と大雨が重なった場合は、参考にできる過去データが少ない。藤三では、平常時は原則としてAIが提示した割引率を使い、台風や大雪、祭事など特殊な状況では、店舗担当者の判断も加味して値引きを行っている。

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