では、余計な質問と、必要な質問はどう見極めれば良いか。答えはシンプルで、「仕事に関する質問へ言い換えられるか」である。
つまり、仕事の条件や、実際に働いたときに直面する状況をなるべく具体的に伝えることだ。
企業は採用したいあまり、面接では企業の良い面ばかりを強調しがちである。しかし、応募者に「この仕事を本当にできるか」を判断してもらうには、仕事の厳しさや負荷、ストレスになり得る部分まで伝える必要がある。
こうした手法は「リアリスティック・ジョブ・プレビュー(RJP)」と呼ばれる。仕事の良い面だけでなく現実的な厳しさも事前に伝える方法で、採用後の期待とのズレや離職を抑える効果が研究されている。
企業が応募者に不要な質問をしてしまう背景には、「うそや誇張を見抜きたい」という心理がある。しかし、不必要な質問を重ねるよりも、1つの質問を深く掘り下げる方が効果的だ。
例えば「前職で売上を150%に伸ばした」と主張された場合、確認すべきは以下の点である。
単に実績の有無を聞くだけでは、個人の真の実力は測れない。書類や発言の内容を深掘りし、「その成果を出すために、どのような環境で本人が実際に何をしたのか」を鮮明にイメージできるレベルまで確認することが重要だ。
「できます」という表面的な回答から事実を引き出す「質問力」こそ、現在の採用現場で求められている。
優れた面接官とは、表情からうそを見抜く人ではない。採用判断に必要な問いを正しく立て、相手の回答を信頼できる事実まで深く掘り下げられる人なのだ。
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