しかし、歴史が異なる大企業同士の統合は容易ではない。SCSKとネットワンシステムズの文化の違いについて問うと、田中COOは苦笑しながらこう答えた。
「異なる生い立ちの企業ですから文化は違いますよ。外部の人からは、SCSKが規律正しくスマートな『公家』だとすれば、ネットワンシステムズは現場で泥臭くやってきた『野武士』と言われたこともあります(笑)。ただ、最上段に位置する両社の経営理念・パーパス自体の親和性は非常に高く、この文化の違いこそが統合ではプラスに働くと考えています。彼らにとっても、われわれのような異なる血が入ることは大きな刺激になるはずです」
そして、統合を真に成功させるための鍵は”世代交代”にあると言い切る。
「われわれの世代から次の世代へと経営のバトンを渡さなければ、真の組織統合はできません。なので、実は統合のプランニングや実行については、次世代のリーダーたちに任せています。数年後に『この人はどこの会社の出身だ』といった会話が社内から消えたとしたら、その時が、統合が成功した証だと思っています」
今回訪れたnetone valleyは、東京都品川区に位置する巨大なイノベーションセンターだ。東京モノレール「大井競馬場前駅」から徒歩わずか2分という立地にあり、駅の改札を出て陸橋を渡ると、ほどなくして「グランロジテラス品川」の建物が見えてくる。2階に設けられたメインエントランスから5階へ上がると、木調が映える内装と間接照明が特徴的な受付とフリースペースエリアが広がっていた。
「ここは、単なる執務室ではなく、異業種の企業やエンジニアが集い、オープンイノベーションを起こす欧米の最新インキュベーション施設をモデルにしています。壁をなくしたオープンな空間で自由にアイデアを戦わせ、日本を元気に切り拓く拠点にしたいという強い思いを込めました」
出迎えてくれた田中COOは、そう切り出した。
施設内には最新機器を検証するラボラトリーやロジスティクス機能も備えており、単なるオフィスを超えた価値創出の場として機能させようとしている。
日立が「1兆円買収」した米ITトップを直撃 日本企業の“根本的課題”とは?
日立、米IT「1兆円買収」でどう変身? 文化の違いを“シナジー”に変えた手腕
日立の好業績を牽引する“巨大事業”の正体 日立デジタルCEOに聞く
27万人の巨艦・日立はいかにしてDXを成功させたのか “知られざる変革劇”に迫る
Lumadaは日立のビジネスをどう変えたのか 「部門間の連携」を生み出した変革の意味
“日立流”生成AI時代の組織再編 「ルマーダ売上2.65兆円」につなげる狙い
日立の責任者に聞く生成AIの“勢力予想図” 「来年、かなりの差がつく」
松尾豊東大教授が明かす 日本企業が「ChatGPTでDX」すべき理由Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング