厄介なのは、一度不健全な抜け道を知ると、次からも同じ選択肢が頭によぎるようになる。健全な発想で困難にチャレンジする文化と、抜け道で帳尻を合わせる文化は、相容れない。じわじわと入れ替わっていく。そしてある時点から、抜け道に頼ることが「当たり前」になり、誰も疑問を持たなくなるのだ。
健全な組織文化があるところにこそ、健全なイノベーションは宿る。不健全な文化が根付いた組織では、いくら困難な目標を掲げても、行き着く先は抜け道でしかない。
不正が発覚するたびに、多くの企業は「意識改革」や「風通しの良い職場づくり」を掲げる。しかし、そうした掛け声だけで、根付いた空気はそう簡単に変わることはない。
組織の空気とは、日々の目標設定や評価基準、経営陣の一挙手一投足から、社員が無意識に読み取っていくものだ。したがって変えるべきは、掛け声ではなく、目標をどう検証し、どう評価するかという仕組みなのだ。
かなり地道な作業になるが、次の3点が欠かせないと私は考える。
一つ一つは地味な取り組みだ。だが、このような積み重ねなくして「空気」は変わらない。制度をどれだけ整えても、長年にわたって培われてきた価値観が変わらなければ、同じことが繰り返されてしまう。
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