堀田氏は、こうした変化を「データの真の民主化」と表現する。
「身の周りには専門的なデータが山のようにある。その間をAIが走り、扱いやすい情報に変換して渡してくれる」
社員が利用できる場所にデータを置くだけでは、十分な活用につながらない。専門的な情報を、利用者が理解できる形に変換する役割をAIが担うことで、これまで専門職の領域だったデータにもアクセスしやすくなる。
同社では今後、社員が日常的に使うAIエージェントから自然に特許情報を検索できる環境を目指すという。さらに、知財データと営業、生産など別の部門が持つデータを掛け合わせ、新規事業や新たな価値創造につなげる構想も描いている。
データ活用を広げる際、渡邉氏は「カルチャーの重要性」を強調する。
「ITシステムを導入しただけでは、なかなか成果は生まれない。業務や文化が変わって初めて活用が進んでいく」
データ活用チームでは、完成したダッシュボードを部門に渡すのではなく、利用者が自走できるように伴走する支援をしているという。「魚を与えるのではなくて、釣り方を教える」
熱量の高い部門と組み、そこで生まれた事例を社内で共有する。データを使った事例を発表するコミュニティも設け、部門を越えた横のつながりをつくっているという。
渡邉氏は、データ活用を広げるポイントとして「自社のデータをきちんと集めていく」「業務部門とIT部門がパートナーとして取り組む」「熱量のある部門から始める」の3点を挙げる。
知財データをはじめ、専門部署に蓄積されている情報は企業の中に数多く存在する。AIエージェントの活用で、そうしたデータを必要な人が扱える形に変えられれば、部門を越えたデータ活用の余地も広がりそうだ。
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