そもそも、県の広報活動への批判を受けるべきなのは、キャラクターそのものではない。問題があるとすれば方針を決定した行政の側にあり、広報のためにつくられたチーバくんに直接苦言を呈するのはお門違いだ。
だからこそ、熊谷知事の発言が大きな意味を持つ。「県外活動への意見は自分や県庁へ」と明言したことは、矢面に立たされたチーバくんから、組織へと批判の受け皿を戻す一手となった。
同時に知事は、県外でのPR活動こそが千葉への支援につながると意義を説明。活動を後押しする「お墨付き」を与えるだけでなく、継続する理由と、それに伴う批判を引き受ける覚悟を示したのだ。
この対応は、自治体や官公庁にとどまらず、企業の広報やSNS運用者にとっても極めて示唆に富んでいる。「顔」として矢面に立つ存在を、組織がいかに守り支えるか。現場に丸投げせず、組織が防波堤となることの重要性を示している。もちろん明確な非があるなら真摯(しんし)に改善すべきだが、理不尽な批判から「顔」を守り抜く姿勢こそが不可欠なのだ。
活動再開直後のチーバくんの投稿は、訪問がかなわなかった「ぐんまちゃん」へのお詫びだった。そして続くポストは、「さっそくだけど、明日と明後日は、仙台に行くことになったよ〜」。
一連の対応で特に強調したいのは、休止から再開に至るまで、投稿の中に「お役人の言葉」が一つも混ざらなかった点だ。知事の見事なアシストを受けつつも、最後まで「チーバくんの言葉」を貫き通したことが、ファンや世論の共感を強固にした。
試練を経て、その存在感を一段と増したチーバくん。今回の出来事は、全国のご当地キャラクターや「広報の顔」を守るうえで、一つの前例になったといえるだろう。
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