「『日本には支店がないので、代理店を通してください』――そう伝えた瞬間、データセンターのビジネスは一気に失速します」
こう話すのは、データセンター向けインフラをグローバルに展開する米Vertivの日本法人、バーティブ ジャパンのカントリープレジデントを務める倉橋健氏だ。
バーティブ ジャパンは10月15日、東京・天王洲に開設した新オフィスの開所式を実施した。新オフィスには、同社が提供する製品・サービスのミニチュアなどを置いたショールーム「Vertiv エクスペリエンスセンター」(VEC)を併設している。
同社は米国オハイオ州に本社を置き、世界130カ国以上で事業を展開している。これまで日本市場では前身企業の時代から20年近く代理店経由で製品を供給してきたが、2025年2月に日本法人を設立し、直接投資へとかじを切った。
なぜ今、同社は日本市場への投資を進めているのか。倉橋氏とVertiv Asia バイスプレジデント 兼 ゼネラル・マネージャーのポール・チャーチル氏が、オフィス開設の狙いを語った。
――これまで日本市場では代理店経由でのビジネスを展開していましたが、今回、オフィスを構えて直接投資に踏み切ったのはなぜでしょうか。
倉橋氏 目的は3つあります。1つ目は、市場に対するコミットメントです。われわれが日本に根を下ろし、お客さまをサポートする姿勢を示すためです。
2つ目は、プロジェクトの大型化と複雑化への対応です。現在、グローバルのお客さまが日本で巨大なAIデータセンターを構築するケースが増えつつあります。すでに海外の市場――例えばオーストラリアやマレーシアなどでわれわれとお付き合いのあるお客さまが「日本でも他国と同じような形で展開したい」となった際に「日本には支店がないため代理店を通して話をしてください」と伝えたとしたら、ビジネスのスピードが一気に失速してしまいます。
より早く、より正確に設計の内容をすり合わせ、スムーズに導入していくためには、直接の対話が欠かせません。アフターサービスを担うエンジニアの配置やプロジェクトマネジメントを含め、バーティブの人間が直接オペレーションを担う体制が不可欠だったのです。
3つ目は、日本のパートナー企業との連携です。私たちのやり方を全て押し付けるのではなく、日本のパートナー企業とバランスを取りながら展開していくためにも、やはり直接の対話が必要になると考えています。
チャーチル氏 データセンター市場における需要の変化が非常に速いことも理由です。私たちは米国でエンドユーザーなどと直接連携し、最新の設計を常に把握しています。日本でもその実績を生かしつつ、現地の要件に合わせて日本のスタッフがカスタマイズしていくため、日本オフィスが重要な役割を果たすと考えています。
日立が「木造データセンター」展開 “鉄とコンクリ”から木材へ、“見た目がオシャレ”以外の価値は?
「データセンター」の中ってどうなってるの? 潜入して分かった、生成AIを支える「冷却技術の進化」
フジクラが米ビッグテックに指名買いされる理由 生成AIが伸びると、なぜ「光配線」が儲かるのか
たった2年で売上高「230億→1000億円」 ダイキン「必要以上に冷やしすぎない」データセンター攻略の秘策Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング