佐藤氏は非公開化を決断した理由について「既存SaaSの延長線上ではない、非連続な進化を遂げるための戦略的決断」と説明する。上場企業であり続ける以上、市場からは四半期ごとの売り上げ成長や手堅い営業利益が厳しく求められるからだ。
一方で生成AIへの全面シフトには、短期的な収益悪化を恐れずに研究開発や組織再編へ資金を注ぎ込む覚悟が欠かせない。短期の株価変動というノイズを排除し、腰を据えてプロダクトをつくり直すための「猶予の5年間」が非公開化の真意なのだ。
その先に見据えるのは、タレントマネジメントの枠を超えたHR領域である。5年後には再上場も視野に入れ「AI×SaaS」による新しい収益の柱をつくる考えだ。
「タレントマネジメントだけではなく配置、評価、採用などHRのあらゆる場面でタレントインテリジェンスを活用して、それが適切に収益化されている状態を2030年までにつくりたいです」(佐藤氏)
事業は3段階で広げていくという。まずデータを集める基盤を固め、次に既存機能へAIを全面的に実装。第3段階でAIエージェント事業に本格参入し、HRソリューション事業も展開する考えを示した。
SaaSとソリューションを組み合わせ、実施した施策から得たデータを、さらにSaaSの改善に生かす。この循環を佐藤氏は「インフィニットモデル」という事業構造で示している。
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