FDEは「スーパーマンと思われがちだが……」 脱・人月モデルで期待大、AI時代の“花形職種”の実像は?(2/2 ページ)

» 2026年10月27日 07時00分 公開
[平 行男,ITmedia]
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 FDEは、現場で得た知見を自社製品にフィードバックし、より良いソフトウェアやサービスを提供することで、その利用料で稼ぐ。

 山下氏は先例として、世界有数の航空機用エンジンメーカーである英Rolls-Royce Holdings を挙げる。同社は、航空機エンジンを売り切るのではなく、飛行時間に応じて課金する形にビジネスモデルを改めた。いまや民間航空部門における売り上げの6割超をこのサービス収入が占めるという。

 FDEは、一からコードを書くのではなく、既存の機能を組み合わせてまず動くものを作る。顧客の業務現場で試作品を使ってもらい、反応を見て作り直す。その短いサイクルを、当初は1〜2人の少人数で回す。山下氏が取材した元パランティアのFDEは「仕事の80%は、顧客企業の中にある暗黙知を探し出し、表に出すことだと思う」と語ったという。

photo 従来型は「人月」で稼ぎ、FDEは「利用料」で稼ぐ(出所:山下氏の講演資料)

FDEは“スーパーマン”なのか?

 山下氏は、FDEが成果を生む条件として「個人の資質」「チームワーク」「組織」「影響力の段階的な行使」(小さな成果を見せながら関与を広げること)の4つを挙げた。FDE個人に求められる資質は「知覚力」「コミュニケーション力」「やり抜く力」など7つあるという。

photo FDEに求められる7つの個人の資質(出所:山下氏の講演資料)

 山下氏が取材した元パランティアの社員は「FDEはスーパーマンだと思われがちですが、実際にはそうではありません」とコメントしたという。高い技術力を持っていたとしても、全てを備えた個人はいない。チームで補い合える組織が強いと同氏はみている。

 山下氏は「AIによって汎用(はんよう)的なものは誰でも作れるようになった。だからこそ、顧客の困りごとに合ったものを作るには、しつこく粘り強く入り込む執念や胆力が求められている」と語った。

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