用地と工期の課題に対しては、既存の工場を転用する動きがある。その一つが、シャープが2024年に液晶パネルの生産を停止した堺工場(大阪府堺市)の跡地だ。
KDDIは2025年4月に跡地の一部を取得し、工場の大規模な電力設備や冷却設備を再利用して、2026年1月に「大阪堺データセンター」を稼働させた。企業が機密データを国内にとどめたままAIを使える環境を整え、製薬や製造業などの需要を取り込む狙いだ。
ソフトバンクも、同工場の土地や建物を約1000億円で取得した。5月に公表した中期経営計画では、堺工場跡地のAIデータセンターを中核とする「AXファクトリー」を建設し、電力140メガワット規模で2027年度の稼働を目指すとしている。チップやシステムまで自前で構築してクラウドサービスとして提供し、重要インフラを担う国内企業にAIサービスを広げる構えだ。
電力の確保に正面から取り組むのが、発電最大手のJERA(東京都中央区)だ。米Dell Technologiesや英RHAELMと組み、千葉火力発電所(千葉市)の隣接地にAIデータセンターを建設すると発表した。受電容量は最大40万キロワット。投資総額は150億ドル(約2.3兆円)以上を見込み、2028年から段階的に稼働させる。
発電所から電力を直接受け取るため、大規模な送電網の整備を待つ必要がない。3社は電力の確保から機器の調達、運営まで一貫した標準仕様をつくり、2030年代には他の火力発電所も活用して、国内合計で数百万キロワット規模の整備を検討する。
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