小売りの未来のカタチは「アマゾン・ゴー」だけではない:繁盛店から読み解くマーケティングトレンド(2/4 ページ)
AIを活用した最先端のコンビニ「アマゾン・ゴー」が話題です。今後このような無人店舗は当たり前の小売り業態となっているでしょう。しかし、もっと別の切り口が小売業の未来には必要だと思っています。
オーガニック食材のコンビニが初出店
30〜40代の大人の女性にターゲットを当ててオープンしたニュウマン。そのエキナカゾーンの一角に、今、私が注目している専門店が全国に先駆けて初出店しました。同店はFOOD&COMPANYが「MINI」という業態に特化するため、同社から独立したSPRINGROLLが運営する新業態「MINI by FOOD&COMPANY」です。2月15日にオープンした同店は、オーガニック食材を中心としたドリンクや食品に特化した新しいタイプのグロッサリーストアです。
16年〜17年にかけてルミネ新宿店内に8カ月程度、FOOD&COMPANYのポップアップストアを展開していた時期がありました。当時から新宿周辺のこだわりの女性たちに人気で、常設を求める声が強かったようです。たまたまニュウマンのエキナカにあったアルコールなどを扱う店舗が退店することになり、それに代わって飲料やアルコールなどを販売する店を出店してもらえないかとオファーがあったのです。そこでエキナカという立地に合わせて、同社の品ぞろえの中でもドリンクや朝食になりそうな食材やおやつ、おつまみを中心にセレクトしてコンビニとして出店しました。オーガニックのスポーツドリンクやフルーツジュース、オーガニック原料で作ったおつまみや缶詰、寝かせ玄米、オーガニックのバナナなど、身体に良いもの、安心して食べられるものがずらりと陳列されています。
私は同店のような店づくりこそ、これからの時代に必要な店ではないかと直感的に思いました。単においしいもの、有名なもの、世界のセレブが愛するブランドショップは新宿には山ほどあります。しかし、今の30〜40代女性たちの価値観は変わり始めています。もっと日々の暮らしを充実させてくれるような本物の商品や、安心して口にできる商品を彼女たちは求めています。人の温かみや手作り感に溢れたものに共感する価値観を持っているからです。30〜40代の女性客にとって同店はまさにぴったりの業態です。
「まだあれこれ試行錯誤している段階なので品ぞろえが十分ではありませんが、アルコール類なども含めて徐々に充実させていきます」(FOOD&COMPANY白社長)とのことで、日本初のエキナカ・オーガニックコンビニは今後広がっていくのではないかと思います。
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