今なぜ若者がインデックス投資? 流行の陰につみたてNISAとYouTuber(1/2 ページ)
一昔前までは、株式投資といえば上がりそうな銘柄を探してそれを買うというイメージが強かった。しかし今、若者の間でインデックス投資が流行している。ではなぜ、インデックス投資が盛り上がっているのだろうか。
若者の間で、インデックス投資が流行している。インデックス投資とは、個別企業の株式を購入するのではなく、日経平均やダウ工業株平均といった株価指数に連動する投資信託を購入することで、株式市場全体に投資する手法だ。
一昔前までは、株式投資といえば上がりそうな銘柄を探してそれを買うというイメージが強かった。ではなぜ、今インデックス投資が盛り上がっているのだろうか。
老後に向けた資産形成を意識する若者たち
「損をしたくないので、インデックスでしっかりコツコツと積み立てたい」。そう話すのは、楽天証券が若年層向けに行ったイベントに参加した大学生だ。ニュースで年金不安の話などを聞き、自分で老後に向けた資産形成を早めに始めようと思い、知識を得るために参加したという。
「一発当ててもうけたい」といった山っ気はそこにはない。大もうけはできなくても、投資先を分散し、長期にわたって積み立てれば、資産は着実に増加するという、金融庁が旗を振って進めてきた長期・分散・積立の概念が浸透してきた形だ。
これを後押しする制度も普及が進んでいる。非課税期間が20年と長い、「つみたてNISA」制度は、2020年6月末時点で244万3700口座を突破。うち、20歳代が16.8%、30歳代が26.5%と、20〜30歳代で4割を占める。これは同じ非課税制度であるNISAにおいて、20〜30歳代の比率が14.2%にとどまるのと対照的だ。また、20年3月末からの3カ月間の伸び率も、20歳代で19.2%、30歳代で13.1%と増加ペースが速い。
楽天証券のファンドアナリスト篠田尚子氏は、「若い人であればあるほど、つみたてNISAを開設し、そこで投資を始めている。インデックスファンドを使う人がマジョリティだ」と話す。
楽天証券は、若者のつみたてNISAの受け皿となって、このところ大きく口座数を増加させている。20年12月末時点で、楽天証券のつみたてNISA設定件数は126.5万件。積立設定件数全体は対前年で49.1%の伸びを見せたが、その多くをけん引したのがつみたてNISAだ。
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