資生堂は復調傾向? 化粧品各社の「中国頼み」色濃く:メークからスキンケア需要へ(3/4 ページ)
新型コロナ禍で打撃を受けた化粧品業界が復調傾向にある一方、減収が続くケースもある。各社が直近で発表した四半期決算からは、各社の明暗を分けた3つのポイントが浮かび上がる。
中国客・中国市場への依存高まる
グローバルで最も消費回復が早いのが中国市場だ。各社とも中国本土の売り上げが伸張。特に資生堂の中国事業は、売上高が前年同期比41.1%増の653億4900万円。3月の婦人節(国際女性デー)や資生堂中国40周年のプロモーションが好調要因となった。
ロレアルも中国市場は37.9%増で成長。オフラインの回復や、18年に買収した韓国コスメ「3CE」(Stylenanda)の成長など、新型コロナウイルス感染拡大前の姿を取り戻しつつある。同社のジャン-ポール・アゴン(Jean-Paul AGON)CEOは「アジア太平洋ゾーンは急成長する中国本土にけん引され、非常にダイナミックな、パンデミック以前の成長率に戻っている」とコメントしている。
カネボウ化粧品を傘下に持つ花王の21年12月期第1四半期決算、このうち化粧品事業の売上高は、前年同期比13.7%減の510億円、営業利益は30億1500万円の損失と落ち込んだ。特に落ち込んだのが日本市場で、インバウンド需要の消滅や緊急事態宣言延長などの影響を大きく受け、売上高は同21.5%減の339億円と大幅に減少した。
一方、中国での売り上げは伸長。スキンケアブランド「フリープラス」「キュレル」の2ブランドが好調に推移した。中国市場では海外製スキンケアの支持が高く、各社がハイエンドのスキンケアブランド育成に力を注ぐ要因となっている。
ポーラ・オルビスHDの中でも特に好調だった「POLA」「ジュリーク」の2ブランドも、中国市場で成長。「POLA」は中国売上高が前年同期比で120%増、「ジュリーク」は中国のオンライン中心に成長した。
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