コラム
「美白」や「はだいろ」が消える 日本は世界の動きについていけるのか:根強いアジアの「美白信仰」(3/4 ページ)
花王が「美白」表現を取りやめると報じられた。この動きは多様性に配慮したもので国内企業では初めて。しかし世界ではより一歩進んだ動きがみられると筆者は指摘する。
「はだいろ」「標準色」からインクルーシブな選択へ
美白表現だけでなく、多様な人種を包括するための課題は山積みだ。メークアップ製品ではファンデーションなどのベースメークにおいて色表現が再考されている。前述したユニリーバの「ノーマル」表現撤廃のように、これまでは「標準色」が定められることが多かった。しかしこの表現は「何を基準とするか」を企業が示す点で適切ではない。
多様なスキントーンの人に選択肢を提供することも課題の1つだ。多様性を重視する歌手・リアーナのプロデュースブランド「フェンティビューティ(FENTY BEAUTY)」は業界の中でも早い段階で、25色という豊富なカラーバリエーションを展開した。
現在では、米・エスティ ローダー(ESTEE LAUDER)の代表的ファンデーション「ダブル ウェア ステイ イン プレイス メークアップ」も北米では33色を展開。さらに歌手のセレーナ・ゴメスが手がける「レア ビューティ(Rare Beauty)」のファンデーションは48色もそろえている。この他にも多くのブランドがシェードの展開を広げているが、数に対してのトーンの偏りなどを指摘する声も上がる。
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