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定年後に「新天地」で挑戦する高齢者 中小企業の支援で新たな生きがい見つける70歳の働く場(4/5 ページ)

高年齢者雇用安定法が改正されて、企業は4月から70歳までの社員の就業機会を確保するよう努力しなければならなくなった。企業にとっては継続雇用と定年延長・廃止に加え、個人事業主として業務委託契約を結ぶなどの対応を迫られている。企業の「お荷物」にならない「70歳の働く場」を考えてみた。

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「ずっとやってくれないか」

 興津俊昭さん(62歳)は、もともとは三井生命保険(現大樹生命)で50歳から執行役員をしていた。55歳の時に、「ホテル日航金沢」の社長として転出。金沢の地で、(社会奉仕連合団体の)ロータリークラブなどに加入して、地元のネットワークを広げた。支店経済の金沢には、多くの企業の支店があり、当時親しかった支店長らとは今でもつながっている。

 ロータリークラブのメンバーから、イベントの音響や映像をメインとした金沢の老舗企業オトムラの経営を手伝ってくれないかと申し出があり、2年前に取締役に就任した。社業全般の支援をオーナー社長から頼まれ、制度面の整備が遅れていたため、一から作った。社長から信頼されていて、「ずっとやってくれないか」と頼まれている。家は横浜だが、単身赴任の生活にも慣れ、しばらくは通勤も楽な金沢で勤務するつもりだ。

 これとは別に興津さんはエスプールと営業顧問契約を結び、中小企業やスタートアップ企業が販路の拡大のために新しい顧客を紹介してくれないかとエスプールに言ってきた際に、金融系や三井グループの人脈を使って、新しい顧客を紹介している。今年の1月から7月までに約30社、延べでは70社余りの新しい取引先を紹介しているという。


オトムラのWebサイト

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