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ホンダ「アシモ」の開発者がハサミメーカーを支援 定年後に「新天地」で挑戦する高齢者70歳の働く場【中編】(3/3 ページ)

高年齢者雇用安定法が改正されて、企業は4月から70歳までの社員の就業機会を確保するよう努力しなければならなくなった。「70歳の働く場」後編では、シニア人材を信用金庫や信用組合など地域の金融機関の取引先企業に紹介してきた一般社団法人新現役交流会サポートの活動を中心にレポートする。

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官の「人材バンク」も増加

 官の人材バンクでも、「新天地」で働きたい希望が増えてきている。厚生労働省の関係団体である産業雇用安定センターが実施する「キャリア人材バンク」では、19年度に人材登録していた退職者1921人が新たな仕事に就いた。20年度(21年3月末)には2118人が新たに就職でき、毎年増加している。求職を希望している登録者の数も20年度末は前年度より840人多い4636人が登録している。

 この人材バンクは60歳以上の在職者および60歳以上70歳以下の離職者(離職後1年以内の者)で再就職を希望する人が登録できる。一時的なサポートではなく、1年以上の雇用期間が見込まれることなどが求人の条件で、登録者のスキルを生かして中小企業のサポートの仕事をするケースが多いという。


産業雇用センターの「キャリア人材バンク」の活動実績

 この数年、多くの企業が社員の副業、兼業を認めるようになった。企業側も社外で通用するキャリアを身につけてもらうことで、定年になった社員の雇用義務の軽減にもつながる。大企業といえども、終身雇用維持では生き残れなくなった今の時代。70歳まで勤務していた企業にぶら下がるのではなく、定年後を見据えて現役の時にスキルを磨き、退職してからは「新天地」に挑戦する選択肢もある。

 人材不足で困っている中小企業のためにボランティア的に働くことも、人生の第3コーナーの有意義な過ごし方になるのでは。団塊の世代の筆者も、頑張っている中高年を見ると応援したくなる。

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