ジョイフルのハンバーグが20万食も! ユーチューバーとコラボしたD2C事業の成功法則:仕掛け人に聞く(3/6 ページ)
YouTube試聴人数の飛躍的な増加に伴い、近年ユーチューバーとのタイアップ企画が急増している。ファミリーレストラン「ジョイフル」では、「ヒカル考案 冗談抜きで旨いハンバーグ」が発売1週間で累計20万食を達成。これらを手掛けたサムライパートナーズ社の青木康時氏に、「ユーチューバーとコラボレーションしたD2C事業の成功法則」を聞いた。
ヒカルらしさを全面に押し出したハンバーグ
商品開発において、「もっとも重要なのは視聴者の気持ち」だと青木氏は語る。
「視聴者の多くはヒカルさんが好きな人たちなので、わかりやすく彼らしさのある商品のほうが刺さるはず。そこで、彼のアイコンともいえる金と黒のバイカラーをあしらった商品を作りたいとジョイフル側に打診。『それならチーズとカレーはどうか』とのレスポンスがあり、商品が形作られていきました」
もちろん、コラボレーションするユーチューバー側も気持ちを乗せられる商品でなければいけない。ヒカル氏の要望としては、「冗談抜きでおいしいと思えるもの」「手頃な価格でたらふく食べられるもの」の2点があがったそうだ。
このリクエストを受けて、ジョイフルは2種類のソースを独自開発。単体でもおいしく、かつ組み合わせても互いの味が引き合うよう何度も試作を重ね、ヒカル氏が納得する味を作り出した。カレーは竹炭で着色し、完璧な黒を引き出したそうだ。
そうしてできあがったのが、黒カレー、ハニーマスタード+チーズの2種類のソースを組み合わせた、通常の1.2倍サイズのハンバーグ。全国の店頭とジョイフルが出店する通販サイトで販売したところ、発売1週間で累計20万食と想像以上の売れ行きに。なかには、開店前から行列ができた店もあったという。
「ヒカルさんのYou Tubeでは、大分に飛んでジョイフルの社長と対面したり、『ジョイフルの人気メニューBest10当てるまで帰れま10』という企画もので盛り上げたりして、ハンバーグのPRのみならず、ジョイフルに親しみを持ち、広く認知してもらえるよう努めました」
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