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「このままではつぶれる……!」 繊維業界の常識を壊して倒産危機を救ったセーレン・川田会長の革命セーレン・川田会長の革命【前編】(4/4 ページ)

明治維新以降、日本の基幹産業だった繊維は、1970年代ごろから衰退の一途をたどった。染色加工が中心だったセーレンもそのあおりを受けて倒産寸前に。この窮地を救ったのが、当時社長に就任したばかりの川田達男氏だった。同氏が起こした「革命」とは。

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常に向上心を持て

 川田氏は常に新しいことへの挑戦にこだわる。このモチベーションとは何なのか。幼少期から好奇心は旺盛だったと語るが、親の影響も大きいようだ。

 「われわれが育った環境は貧しかった。社会全体もこんなに裕福ではありませんでした。常に向上心を持ちながら、勉強なり仕事なりをしないといけないと言われてきました。そう考えると、一番大きいのは親の教育かもしれませんね。それは厳しかったですよ」


子どものころから厳しく育てられたと、川田氏は回想する

 また、同世代の経営者たちとの出会いも刺激になった。

 「名だたる企業の社長の皆さんと出会い、それが縁で、今もダイキンや富士フイルムホールディングスの社外取締役をやらせてもらっています。そうやって外を知ることができたのも大きい」

 自らの手で革命を起こし、セーレンを世界に通ずる企業にした川田氏の功績は計り知れない。他方で、6000人を超えるような大会社になると、経営トップと社員との間に距離ができてしまうのが一般的である。ただし、川田氏にとっては今も昔も変わらず、最も大事にしているのが「現場」。末端の社員と気さくに会話をしたり、彼ら、彼女らの意見に積極的に耳を傾けたりすることは当たり前にあるそうだ。

 次回は、現場に根ざした川田氏の経営哲学に焦点を当てる。

著者プロフィール

伏見学(ふしみ まなぶ)

フリーランス記者。1979年生まれ。神奈川県出身。専門テーマは「地方創生」「働き方/生き方」。慶應義塾大学環境情報学部卒業、同大学院政策・メディア研究科修了。ニュースサイト「ITmedia」を経て、社会課題解決メディア「Renews」の立ち上げに参画。


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