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事故現場の状況をAIが自動作図 MS&AD副社長に聞く「新時代の保険ビジネス」シリコンバレーに社員を派遣(5/5 ページ)

三井、住友、日本生命、トヨタ自動車などいくつもの企業グループと親密な関係を持つ強みを生かして、世界トップ水準の保険・金融グループの実現を目指そうとしているのがMS&ADホールディングス。樋口哲司副社長にDXを核にした経営方針を聞いた。

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石炭火力会社への保険契約

――ESG投資の動きが強まり、石炭火力に対する逆風が強まっていますが、石炭火力会社に対する保険契約はどうしていますか。

 石炭火力会社との新規の保険契約の引き受けや、投融資はしないことにしています。既存契約については電気が止まることにもなりかねないので継続します。脱炭素では、中間の30年には50%の二酸化炭素排出量の削減、50年にはカーボンニュートラルを目標に掲げています。

――経営者として日ごろから大事にしていることは何ですか。

 着眼大局、着手小局。DXでもそうですが、できるところから少しずつ掘り崩して、最終的に全体観を持って大きなことを目指すのが大事だと思います。あとは、人に言われたことだけするのではなく、自分の頭で考えて成功を収めるようにしなさいと部下に言っています。また、部下の話は最後までよく聞くようにしています。

――大きな成功を収めるためには、ある程度失敗を認めるカルチャーが必要なのではないでしょうか。

 当社は金融機関なので、カルチャーとして失敗はだめだというところが全体的にはあります。ただ失敗をしないと見つからないものもあるので、失敗は是とするように、少しずつ変えてきています。

 これまでは成功事例の共有が多かったですが、いまは失敗事例の共有をやり始めています。シリコンバレーがその典型で、失敗を繰り返しながら新しいビジネスにチャレンジするカルチャーです。このため、失敗が小さいうちにたくさんしておくのが大事です。目指すものに向かっていくうちに小さい失敗をしておけば、大きな失敗になる確率も減ります。

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