HPのパーソナルシステムズ事業責任者に聞く日本戦略:ハードからソリューションへ(3/5 ページ)
米HPのパーソナルシステムズ事業担当プレジデントのアレックス・チョウ氏に、日本での事業展開を聞いた。
同僚の声がオフィスのように聞こえる製品が人気
今はどういったものがトレンドで、今後はどんなものが求められるのか?
「人々は没入型の体験を求めています。ディスプレーは2つ、3つと並べて使用している人が少なくないですし、良いマウスやキーボード、ウェブカメラを使うことによって、より洗練された体験ができます。
迅速につながることに加えて、デバイス間でシームレスに接続できること、そしてワイヤレス製品も求められています。オーディオ機器もトレンドで、同僚の声がオフィスにいるかのように聞こえるようにする製品が人気です。
また、在宅で働く人たちのサポート業務も重要です。会社のパソコンを自宅に持っていくことになりますが、仕事用に構成したパソコンを提供するだけではなく、在宅勤務者のパソコンがきちんと動いているのかを知ることができるサービスもあります」
在宅勤務にあわせた新しい商品も開発している。
「『デジタル・エクスペリエンス・スコアカード』というのを始めました。デジタルな製品を使ってうまく仕事ができているかどうか、生産性を担保できているのかについて数字で評価ができるものです」
生産性の維持は管理職層の誰もが気にする点だ。同社は生産性を数値化できるソフトを開発していた。これは、HPとしてソフトウェア、特にSaaSのようなものを提供するビジネスをより重視するという意味なのだろうか。
「私たちは、自社をパソコンなどのハードウェアの会社だとは考えていません。事実、ゲーミングPCにおいてもパソコンの販売以外に、ソリューションも提供しています。そして、ハイブリッド・ワーク・ソリューションの会社でもありますから、もし3年後、インタビューを再び受けるとするならば、HPはハイブリッドとゲーミングの両方のソリューションのリーダーであり続けているでしょう」
関連記事
- 富士通・時田隆仁社長に聞く「年収3500万円」の運用状況 みずほシステム障害への対応は?
富士通の時田隆仁社長に、今後の事業展開の方向性を聞いた。 - 富士通「年収3500万円」の衝撃 ソニー、NECも戦々恐々の「グローバル採用競争」
「富士通3500万円」「NTTコム3000万円」「ソニー1100万円以上」「NEC新卒年収1000万円」――。優秀な人材を獲得するためにカネに糸目をつけず施策を展開する各社の危機感と焦燥。繰り広げられる採用“狂騒曲”の本質に迫った。 - NEC森田社長に聞く「新卒年収1000万円施策」の効果 魅力的な職場を作ることこそマネジャーの仕事
NECは顔認証に代表されるように世界でも有数の認証技術を持っている。加えて月や火星探査などの宇宙開発など夢のある技術開発に長年注力してきた。今後の展望を森田隆之社長に聞いた。 - 上場企業の「想定時給」ランキング、3位三井物産、2位三菱商事 8000円超えで「ぶっちぎり1位」になったのは?
上場企業の「想定時給」ランキング……。3位三井物産、2位三菱商事に続き「ぶっちぎり1位」になったのは? - 「年商1億円企業の社長」の給料はどれくらい?
「年商1億円企業」の社長はどのくらいの給料をもらっているのか? - 「この企業に勤める人と結婚したい」ランキング トヨタ自動車、任天堂をおさえての1位は?
「この企業に勤める人と結婚したいランキング調査」。1位は「地方公務員」(28.6%)だった。 - NEC「新卒年収1000万円」の衝撃 年功序列の廃止か、「3流国への没落」か
NEC、ソニー、NTTコミュニケーションズ、DeNA、富士通……。高い報酬を払ってでも新卒の優秀な技術者を採用したいという機運が高まってきた。年功序列に縛られた日本企業は果たして変われるのだろうか? - 上場企業の平均給与ランキング 三菱商事や伊藤忠を抑えて1位になったのは?
新型コロナウイルス感染症の影響を受け、上場企業の平均給与は減少傾向に。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.