HPのパーソナルシステムズ事業責任者に聞く日本戦略:ハードからソリューションへ(4/5 ページ)
米HPのパーソナルシステムズ事業担当プレジデントのアレックス・チョウ氏に、日本での事業展開を聞いた。
在宅勤務などでの実体験を製品に反映
HPの社員も、チョウ氏も在宅勤務を体験した。その体験が技術の進化につながっただろうか。
「はい、その体験に基づいて開発を進めたりもしました。私も在宅勤務を経験して生産性の維持するのは難しいと感じました。在宅勤務中にパソコンに問題が発生しても、(修理などの)サービスを受けるのも大変ということを実感し、そのサービスも構築しました。オンラインミーティングでも、オフィスにいる感じを出すため、カメラとオーディオ機器開発への投資も行いました。これらはイノベーションを起こす原動力になりましたね」
チョウ氏は、プライベートでも父親を含めた一族の集まりを計画していたが、コロナ禍で断念したという。その代わりにオンラインで集まることになったが、父親にとっては家族のメンバー1人ひとりの顔と声がはっきりと認識できることが重要だとに気付いた。カメラ、音声など会議システムの構築は、自らの体験が元になったそうだ。
とはいえ、こうした技術は、他にも多くの企業が提供している。差別化はどのように図るのだろうか。
「1つ目は『コアテクノロジー』です。セキュリティ、ビデオなどは差別化できる技術を保有しています」
HPはゲーミング周辺機器ブランド「HyperX」や、ビデオ会議ソリューションを中心とした企業「Poly」を買収し、技術とラインアップの強化を図った。
「個人向けと法人向けの両事業を抱えていますが、個人向けに作られたパソコンのデザインを法人向けに応用したり、法人向けのセキュリティ商品を個人向けに販売したりすることも可能です。つまり、幅広い製品ポートフォリオを持っている点が強みなのです。
サステイナビリティ分野においても、当社はリーダー的な存在であります。22年に出荷したパソコンとディスプレーの全てにリサイクル材料を使っていまして、新製品はすべてEPEAT(米国の電子機器製品の環境評価システム)においてゴールド認証を受けています」
今やサステイナビリティは、消費者にとっても企業にとっても重要な非財務指標だ。世界的に株主や投資家の目線も厳しくなっている。ステークホルダーへのアピールの側面もあるのかを聞いた。
「簡単に言えばノーです。株主や投資家からの要請を受けて取り組んでいるのではなく、創業者の時代からサステイナビリティは正しいことだと確信しているから取り組んでいるのです。21年にはサステイナビリティに関する新たな売り上げが約35億ドルありましたので、ビジネスとしても有益です。また、HPが持続可能なことをしているから入社したいという人も出てきています」
共同創業者のデビッド・パッカードは1964年に夫妻で「デビッド&ルシル・パッカード財団」を設立した。娘のジュリーは海洋生物学者でもある。同財団は現在も水産資源保護などを目的に活動しており、世界に大きな影響力を持つ。
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