2015年7月27日以前の記事
検索
連載

丁寧に教えているつもりでも...上司は「部下離れ」をすべき、3つの理由「キレイごとナシ」のマネジメント論(2/4 ページ)

最近、入社4年目の部下に距離を置かれている気がする。それはなぜか。

Share
Tweet
LINE
Hatena
-

「部下離れ」できない上司の実態

 「部長、正直に言っていいですか? H課長、心配しすぎなんです」

 小さなミスでも必ず事前に確認を求められ、顧客への連絡一つとっても「念のため内容を見せてくれ」と言われる。まるで新人時代に戻ったような気分になるという。しかもH課長は「君のためを思って」と善意のつもりらしい。

 「ありがたいのは気持ちはあるのですが、正直、息が詰まるんです」

 このような事例は他にもある。

 ある製造業では、部下がプレゼン資料を作ると、上司が「顧客に失礼があってはいけない」と言って、誤字脱字から話す内容まで細かくチェックし、最終的には上司が同席し、自ら補足説明を始めてしまう。部下からすれば「信頼されていない」ような気持ちになるという。

部下からウザがられる上司3つの特徴

 部下から煙たがられる上司には、決まった特徴がある。私が20年以上企業の現場で見てきた中で、次の3つが代表的だ。

  1. 過度に先回りする対応
  2. 細かすぎる確認
  3. 挑戦をさせない過保護

 1つ目の特徴は、やたらと先回りしようとする姿勢だ。ある営業3年目の若手が「ウザイ……」とため息をついていた。営業3年目なら、ある程度の判断はできるはず。にもかかわらず「大丈夫か?」「何か困ったことはないか?」と1日に何度も声をかける上司がいる。

 メールの文面から会議の進め方まで、事前に確認を求めたがる。部下からすれば「そこまで心配されなくても」という気持ちになるだろう。

 2つ目の特徴が、確認が細かすぎることだ。スケジュールや進捗(しんちょく)を異常なほど管理したがる上司がいる。「この件、どうなってる?」「明日の準備はできてる?」といった確認を繰り返す。しかも自分なりのやり方を押し付けてくる。

 「重要な商談はオレンジ色のフラグを付けたほうがいい。それから、フラグごとにソートをかけることでスケジュールの優先順位が分かって……」

 このように、メールソフトの細かい設定にまで口出ししてくるのである。

 そして3つ目の特徴が、過保護すぎて挑戦させないことだ。これは最も問題のある姿勢だろう。部下が新しい提案や挑戦をしようとすると「失敗したらどうする」「リスクが高すぎる。まだやめておけ」と止めてしまう。

 「それよりも、このような企画にしたほうが安全だから。まだ経験が足りないんだから、社内で目立つ必要はない」

 このように、結局は上司が「安全な方法」を指示して、部下の成長機会を奪ってしまう。部下のやる気は徐々に削がれていくだろう。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る