2015年7月27日以前の記事
検索
連載

「前にも言ったよね」が職場を壊す――部下が動き出す“言い換えマネジメント”の技術「キレイごとナシ」のマネジメント論(2/5 ページ)

同じミス、遅い進行、伝わらない指示──その原因は上司の“ひと言”かもしれない。部下のやる気を奪わず、自然と動かす言葉の選び方とは? トップコンサルタントが教える、職場の空気を変えるマネジメントの言語戦略。

Share
Tweet
LINE
Hatena
-

なぜ「前にも言ったよね」は禁句なのか

 「前にも言ったよね」というフレーズ。これはリスキーだ。上司なら誰でも使いたくなる瞬間があるだろう。しかし、この言葉には大きな問題が潜んでいる。

 まず、この言葉を聞いた部下の心理を考えてみよう。「前にも言ったよね」は「何度も言わせるな」「ちゃんと聞いていたのか」という非難のメッセージだ。部下は委縮し、言い訳を考えることに必死になる。


部下を追い詰めてしまうことにつながる

 「時間がかかりすぎじゃない?」も同様だ。「仕事が遅い」「能力が低い」と暗に批判している。部下の自尊心は傷つき、モチベーションは大幅にダウンするだろう。

 私は20年以上コンサルティングをしてきたが、このような指摘で部下が成長した例を見たことがない。むしろ関係が悪化し、ひどい場合は離職につながるケースさえある。

 ある営業部長から聞いた話。優秀な若手社員が突然退職を申し出た。理由を聞くと「上司から『前にも言ったよね』『何度言ったら分かるんだ』と言われ続けて、自信を失った」という。部長はがくぜんとした。指導のつもりが、逆効果だったのだ。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る