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「売れる」は禁句──営業会議で使うと“組織が腐る”言葉の正体:「キレイごとナシ」のマネジメント論(2/5 ページ)
業績低迷に悩む企業が、営業会議の「言葉」を変えただけで再生。組織を変える第一歩は、意外にも“言い回し”から始まった。
「受け身営業」のワナ
この会社の営業会議では、ある言葉が連発されていた。それが「売れる」という表現である。
「どのようにしたら売れるのか」
「この商品が売れるためにはどうすればいいのか」
「どういうプロモーション活動をすれば売れるのか」
「どんな価格帯だと売れるのか」
一見、何の問題もないように思える。むしろ真剣に売り上げアップを考えている証拠だろう。しかし、この言葉づかいこそが組織を受け身にしている根本原因だった。
長年、引き合い対応に終始してきたことで、営業部門全体がこのような思考パターンに陥っていた。顧客から問い合わせがあり、それに応える。展示会に出展すれば引き合いが来る。季節要因で需要が高まる。
確かに安定した事業基盤があったからこそ成り立つビジネスモデルだ。しかし、それが組織の主体性を奪っていたのである。
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