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「なんだか、AIみたいですね」 ロジカル上司が部下に嫌われる理由「キレイごとナシ」のマネジメント論(4/4 ページ)

「データで正しく説明したのに、なぜ伝わらない?」。元コンサルの上司が「AIと話しているみたい」と部下に言われた本当の理由とは。論理よりも大切な“伝え方”を考える。

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なぜコンサル風の話し方は嫌われるのか

 私の経験から断言できる。コンサル風の話し方は、多くの人に好かれない。好かれないどころか、相手の行動を変えることもできない。

 根本的な原因は、「相手視点が足りない」からだ。

 データや論理で武装した説明は、一見正しそうに見える。しかし、相手の感情や価値観を無視して正論を押し付けても、人の心は動かない。専門用語やグラフを次々と提示されても、相手が本当に理解しているとは限らない。

 相手によって読解力や理解スピードは異なる。

 それでも多くの人は、「分からない」と言うのが恥ずかしい。細かいデータを見せられると、反射的にうなずいてしまう。その様子を見て話し手は「理解された」と勘違いし、どんどん話を進めてしまう。これでは、独りよがりな説明になってしまう。

 「AIと話している」と言われても仕方がない。人を動かすには、論理だけでなく感情に寄り添うことも必要なのだ。

アリストテレスが教える説得の3要素

 古代ギリシャの哲学者アリストテレスは、こう語った。

 「人は論理的に話す者に従うが、感情に訴える者にはさらに心を開く」

 彼は説得の3要素として、ロゴス(論理)、パトス(感情)、エトス(信頼)を挙げた。コンサル風の話し方は、ロゴスに偏りすぎている。

 数字やデータで理路整然と説明するのは確かに有効だ。しかし、相手の心に訴えかけるパトスや、話し手への信頼感であるエトスが不足していると、相手は動かない。

 例えば部下に新しい業務を依頼する場面。データだけで必要性を説明しても、部下の不安や期待には応えられない。「なぜこの仕事が大切なのか」「どんな成長につながるのか」など、感情面での配慮が求められる。

 信頼関係も欠かせない。どれだけ論理的でも、信頼できない相手の話は受け入れがたい。日ごろから部下との関係を大切にし、人間味のあるコミュニケーションを心掛けることが重要だ。

 ピラミッドストラクチャーのような構造的フレームワークを使えば、「分かりやすい」説明はできる。しかし、それで人は本当に正しい意思決定ができるのか。その人の行動を変えることができるのか。答えは「ノー」だ。

わかりやすさよりも大切な話し方

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 鍵は、小手先のテクニックではなく「自分視点」から「相手視点」への切り替え。相手の“燃え方”で7タイプに分類し、それぞれに響く言葉や伝え方を解説。

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