「スタバのレシート持参でコーヒー半額」 年商4億円のご当地チェーン「すなば珈琲」の“逆張り”経営(1/5 ページ)
鳥取県で展開する「すなば珈琲」は、観光客の需要を取り込んで成長し、観光スポットとしての人気を確立している。ブランドを築き上げた創業者に、創業時の思いやスタバ人気を逆手に取ったユニークな戦略の狙いについて聞いた。
「鳥取にはスタバはないが、日本一のスナバ(鳥取砂丘)はある」
2012年10月、鳥取県知事が発したこの言葉をきっかけに、誕生した喫茶店がある。SUNABA COMPANY(鳥取市)が運営するご当地コーヒーチェーン「すなば珈琲」だ。
2014年4月の創業から12年。店舗網は県内外で14店舗(FC含む)に広がり、すなば珈琲単体での売上高は2026年12月期に4億円を見込むまでに成長を遂げた。いまや「鳥取の観光名所」としてのポジションを確立している。
後々スターバックスコーヒー(以下、スタバ)が進出すると分かっていた鳥取で、同社はなぜ、あえてコーヒー店を立ち上げたのか。ブランドを育て上げた創業者・村上和良氏(79)に、独自の「逆張り戦略」を聞いた。
「鳥取が全国の笑いものにされてはいかん」と一念発起
「鳥取が全国の笑いものにされてはいかん」
知事のフレーズが全国的に話題となり、鳥取が「スタバのない県」としていじられる状況に、村上氏は悔しさと危機感を抱いていた。
村上氏は、もともと飲食店の店舗設計やコンサルティングを担う会社に勤務しており、57歳で「そろそろ好きなことをやりたい」と脱サラした。やるなら他店がやっていないことをやろうと、店内に生け簀(いけす)を設け、新鮮なイカを提供する料理店を手掛けた。2001年のオープン時には2〜3時間待ちの行列ができ、人気店に育てた実績がある。
そんな中、村上氏は前述した鳥取県知事の「鳥取にはスタバはないがスナバはある」の発言を耳にする。
「このまま、鳥取が全国の笑いものにされてはいかんと思いましたね」(村上氏)
村上氏は毎朝飲むほどコーヒーが好きだったこともあり、コーヒー店を作ることにした。知事のフレーズをそのまま使おうと、了承も得て、店名を「すなば珈琲」とした。
狙う客層は地元客ではなく、観光客に据えた。理由は、地元喫茶店と既存客を取り合うことを避けたいことと、2015年5月に鳥取県1号店のオープンが決まっていたスタバの客層もまた、地元客だからだ。
「スタバさんは競合ではなくリスペクトする存在。そもそも規模が違いますから、同じやり方で戦っても勝てるわけがないんです。マニュアル? そんなもんいらんですよ。スタバさんのマニュアルと逆をやればいいだけの話だから」(村上氏)
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