顔がほどよい明るさで写ること。「顔が露出オーバーになるくらい白く写る」方が喜ぶ人もいるようだが、まあそういう人はそういう人ということで、それでも顔が暗かったり明る過ぎたりするとよくない。顔をアップで撮るときは大差ないけど、全体に占める顔の範囲が狭くなると周りの明るさの影響を受けやすくなるのだ。カメラはどうしても全体の明るさを意識してしまうから。
例えば、真っ白なコートを着て腰から上の写真なんかを撮ると、コートの白に引っぱられて顔が暗く、逆に真っ黒のコートを着て撮ると顔が真っ白に写ったりするのだ。
今回はほどよい色の上着なのでそんなことないけど、撮ってみて顔が暗かったり明る過ぎたりしたら露出補正をかけてみよう。
今回の撮影は残念ながら天気がめいっぱい不安定で、しまいには雨が降り出す始末。軒下のベンチで雨宿りしながら撮ってみた。小雨の日の軒下なのですごく暗い。
暗いとブレるからといって感度を上げて撮ると、このようにどうしても肌色がざらついてしまう。最近のデジカメは増感時の画質は上がってるけど、肌のように滑らかで目がいきやすいところは増感時の画質の荒れが気になる。
人を撮るときはできるだけ増感しないように、がんばってブレを防いで撮りたい。
それで、このような逆光だと背景が極端に明るくなるので、いくら顔を明るくしてもなんとなくこんな感じの色になっちゃうもの。
そういうときは「スローシンクロ」(カメラによって夜景モードのフラッシュだったり、いろいろ呼び方があるけど)でフラッシュを焚くといい。まあ、雰囲気を壊さないように弱めにフラッシュを焚く機能のこと。カメラにも寄るけど、通常のフラッシュ、赤目軽減フラッシュ、スローシンクロフラッシュなんかが選べるはずだ。
そうすると強くなり過ぎない程度に光が当たり、顔も明るくなり、目にも何気なくキャッチライトが入るわけである。
ちょっと薄日が差してきたので外に出てみよう。
日差しって重要で、顔に向かって日差しが当たっていると顔は明るく撮れるけど、撮られる方がすごくまぶしい。さらに春から夏の太陽が上の方にある真っ昼間は目が前髪の影に入って肝心の目元が暗く写っちゃう。
かといって逆光だと、髪の毛の周りや肩の辺りが日差しで光ってきれいなんだけど、顔が暗い。
そういうときどうするか。プロの現場では「レフ板」というのを使う。レフというのは「レフレックス」で日本語では「反射板」。光を反射させることで、当てたいところに上手に光を当てるわけだ。
顔を明るくしたいときはこんな風にする。
これは折りたたみ式(持ち歩くときは1/4のサイズになる)のレフ板で、持ち歩きやすい小型のタイプ。屋外でポートレートを撮るときはもっとでかいレフ板を使うけど、持ち歩くとき邪魔なので今回は小さな物で失礼。
そうして、このように光を当てたいところに当ててやるわけだ。
どういう写真を撮りたいかによって当てる角度や強さを変えるのだが、今回は分かりやすいようにシンプルに顔に当ててみた。
するとまったく同じように撮ってもこれだけ顔の明るさが違う。雑誌に載ってる屋外での写真は必ずでかいレフ板を使ってると思っていい。今回のような薄日しかさしてないときでもこれだけ効果があるのだ。
レフ板を使うと目の中に白い板が写り込むので、すぐ分かる。この写真も目の下に白くて丸いものが写り込んでるのが分かる。
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