デジカメには多くの機種で動画撮影機能がついている。10年も前からついてるわけで、珍しい機能でもなんでもない。だが、あまり使われることがなかった。撮った後にどうするか、という点に難点があったのだ。
写真ならパソコンで見たりメールで送ったりプリントしたり年賀状に使ったり、という作業が簡単にできるけれども、デジカメの動画となるとパソコンの画面で見るくらいしか用途がなかった。もちろん、DVDに焼いたりテレビで見たりネットで公開したりできるけれども、それなりのパソコンの知識や手間暇が必要だったのだ。
でも今は時代が変わったのである。
ビデオカメラで撮った動画はテレビで見たりDVDに焼いたりするのが、デジカメで撮った動画はパソコン上で処理するのが一般的。逆にいえばビデオカメラはテレビ向きで、デジカメの動画はパソコン向きなのである。かつてはそれがデメリットだったが、今は逆。誰でもインターネットを使って動画を公開できる時代になったからだ。
運動会や卒業式、演奏会などのイベントを長時間記録するならビデオカメラの方が向いているが、日常のヒトコマを何気なく録画するならデジカメの動画機能の方が便利。コンパクトなのでいつでも持ち歩けるし、いつでもさっと写真撮影から動画撮影に切り替えられるし、ひとつひとつが「動画ファイル」として写真と一緒に記録されるので、管理も簡単だ。パソコンに入れておけば写真と一緒に、撮影日でさっと呼び出せる。
動画のネットへの公開も以前に比べてぐっと簡単になった。かつては、ネットへ公開するためのファイル形式や動画のサイズが重要でそれをいつも気にしなければならなかったが、今はメジャーな形式ならたいてい、動画配信サービスの方で対応してくれる。細かい技術的な知識がなくてもよくなったのだ。これがでかい。
誰でも、インターネットにアップし、見せたい人にURLをメールするだけでいい。公開したくないときは、非公開で動画をアップできるサービスを使えばいい。
ネットで見てもらうには、パソコンへの取込みに手間のかかるビデオカメラより、写真と同じように扱えるデジカメ動画の方が手軽なのである。
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