昨年はソニーのNEXシリーズの登場により、マイクロフォーサーズ以外の選択肢が増えたことで、ミラーレスの市場がヒートアップした。特にNEXシリーズは、デジタル一眼レフ風でもレトロなカメラ風でもなく、独自の意匠を持つことで新しい層の獲得にも繋がったといえる。
2011年も続々と新製品の発売・発表があり、小型軽量化を進めたモデルが多く登場したほか、利用者層の明確化を行った製品展開を進めるメーカーも増えた。これまでは一口にミラーレスタイプといえたものが、進化あるいは細分化のフェーズに突入したように感じられる。これらは、デザインに自由度のあるミラーレス機ならではだ。
ただ、さまざまな方向に進化を続けていることもあり、製品の選び方が難しくなってきていることも事実。そこで、本稿では現行機種として販売されている、もしくは開発表明・販売開始予定と発表されているパナソニック「DMC-GF3」「DMC-G3」「DMC-GH2」、オリンパス「E-P3」「E-PL3」「E-PM1」、ソニー「NEX-5」「NEX-C3」、ペンタックス「PENTAX Q」の最新ミラーレスカメラを対象に、8つのキーワードから、それぞれのお薦めのモデルをピックアップしてみた。
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金属製ボディや各種撮影機能や高速性を前面に押し出したハイエンド機には、発売間もないオリンパス「E-P3」と昨年10月発売のパナソニック「DMC-GH2」、そしてNEX-C3発売に伴ってファームウェアがバージョンアップとなったソニー「NEX-5」が該当する。
これらの機種は、撮影機能と操作系の充実、妥協のないスペック、1920×1080ピクセルのフルHD撮影などが特徴の、いわゆる全部入り機である。フルHD撮影は、ハイエンド機以外でも撮影可能な機種が増えており今後フルHD撮影の有無が機種を選ぶバロメーターにならなくなる可能性もあるが、ソニーNEXシリーズのようにフルHD撮影の有無で、モデル間の性格付けを行っているケースもある。
また、E-P3とDMC-GH2はミラーレスタイプの弱点と指摘されるオートフォーカスの速度についても高速化が図られており、快適な撮影を行える。
サイズ感は好みが左右する部分も大きいかと思うが、ここでは小さいことを良しとして取り上げてみることにする。
ボディのコンパクトさではペンタックス「PENTAX Q」が群を抜いている。デジタルカメラを選ぶ上で、普段持ち歩いても邪魔にならないサイズは重要だ。機能で満足しても結局持ち歩かなくなってしまっては意味がない。そういった意味では、PENTAX Qが持ち歩けるミラーレス機の本命となることは間違いない。
機種名 | 幅 | 高さ | 奥行き(いずれもボディのみ) |
---|---|---|---|
PENTAX Q | 98mm | 57.5mm | 31mm |
NEX-C3 | 109.6mm | 60mm | 33mm |
E-PM1 | 109.5mm | 63.7mm | 33.95mm |
DMC-GF3 | 107.7mm | 67.1mm | 32.5mm |
PENTAX Q以外の、2011年発売のマイクロフォーサーズ機やNEXシリーズも、前機種よりコンパクトになっている。パナソニック「DMC-GF3」は、前機種のフィルムカメラのようなたたずまいから一転、コンパクトデジカメの様な面持ちとなり、サイズ的にもコンデジと見間違うようなサイズとなった。
一方、オリンパスは、PENシリーズ・PEN Liteシリーズはサイズダウンさせず、小ささがセールスポイントとなるPEN mini E-PM1を新たにラインアップに加えてきた。ソニーのNEX-C3も、前機種NEX-3よりも一回りサイズダウンしている。
ミラーレスと一眼レフとの違いのひとつしてあげられるのが、ケースやストラップなどアクセサリーの充実だ。比較的コンパクトであることや、シンプルな外観であることも強みとなり、メーカー純正のものからサードパーティー製の様々なケースやストラップが販売されている。
これらのアクセサリーを楽しむ上で重要なのが、ベースとなるボディーカラーだ。カラフルなアクセサリーなどに合わせるのであれば、ホワイトやシルバー系のボディを選ぶと良いだろう。そのほか、レッドやブラウンなどといった定番色以外のカラーバリエーションのあるモデルもある。自分が気に入った色があるかないかもカメラ選びのポイントとなるだろう。
いわゆるミラーレスタイプはオートフォーカスにコントラスト検出方式を利用するため、位相差AFを利用する一眼レフに比べるとその速度は劣るといわれるが、最新モデルでは各機種のAFスピードは格段に向上している。
中でもAFの高速性をうたっているのが、パナソニック「DMC-GH2」「DMC-G3」、オリンパス「E-P3」だ。デジタル処理の高速化やレンズ側の対応を進めることで、AFの高速化を図っており、E-P3ではキットレンズ装着時に「世界最速」(同社)をうたうまでになっている。
また、これらの3機種はタッチパネルを採用しており、タッチによるAFポイント選択・タッチによるシャッターなど、AF機能を最大限に活用できるような工夫もされている。ただ、全体的な性能の底上げが進んでいることもあり、上記以外の機種でも、日常の撮影ならシャッターチャンスを逃すことはないだろう。
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