まあそんなわけで、基本性能は非常に高い。機能はシンプルだけれども、起動もAFも速いし、画質も連写も動画も、動画中の静止画もスローモーション動画も、ひとつひとつのクオリティはさすがだ。特に画質は上々。Nikon 1より撮像素子が大きいマイクロフォーサーズ系に迫るレベルだし色や階調のバランスもいい。これは予想以上だった。
カスタマイズ性の物足りなさやコンデジ的な操作系から考えるに、基本的にフルオートで気軽に写真や動画を楽しむ、新しいスタイルのレンズ交換式カメラなのだろう。COOLPIX Pシリーズの上位版、とか、デジタル一眼レフのミニチュアと思ってはいけない。どちらともテイストが違うのである。そう思って使えばかなり楽しめるはずだ。
で、V1とJ1、買うとしたらどっち、と聞かれたら、わたしはJ1を選ぶと思う。
V1はEVFも持ってるし、デザインもよりカメラらしいし、メカニカルシャッターも搭載しているしで、12月に出るというFマウントのアダプターを使ってニコンの一眼レフ用レンズを装着してお手軽な望遠スナップカメラとしても楽しめそうなので、すごく魅力的なのだが、「さあ、今からあれこれ凝った撮影を楽しむぞ」と思うと、この操作系に耐えられない気がするのだ。
むしろJ1の方がフルオート系コンデジのパワーアップ版みたいな感じで、価格も押さえられているし(標準ズームレンズキットの実売想定価格は7万円前後)、手軽にスナップやいろんな動画を楽しむ常用カメラとして楽しく使えそうなのである。気軽に撮れるけれど、画質は格段にいい。
そういう意味では、V1とJ1の操作系を同じものにする必要はなかったのではないか。J1はこれでいいけれども、V1はもうちょっと凝った操作が楽しめるカメラ好き向けの操作系にして、両者の性格をはっきり分けてもよかったじゃないかと思う。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR