先日のレンズファームウェアに引き続き、ボディのファームウェアも12月13日に最新版(Ver.1.10)が提供開始された(レンズ交換式アドバンストカメラ用ファームウェア)。今回のファームウェアの更新内容は「マウントアダプター FT1 に対応」「セットアップメニューに [ピクセルマッピング] を追加」の2つだ。
本ファームウェアの目玉は、なんと言ってもニコンFマウントレンズが使えるマウントアダプター「FT1」への対応だ。このFT1に関するマニュアル(リンク先PDF)は既に公開されているが、目を通すと制限事項が結構多いことに気付く。
まずは、オートフォーカスが作動するレンズは超音波モーター内蔵のAF-Sレンズ。これに関しては、AFカプラーがないため仕方がないが、AF-Sレンズにしても動作するオートフォーカスモードはシングル(AF-S)のみで、フォーカスポイントは中央1点のみとかなりの制限が付いてしまっている。
さらに注意点として「1秒以上の低速シャッターは不可」「非CPUレンズで絞って撮影する場合は画像上に縞状のノイズが発生する場合がある」「開放絞りF1.4のレンズで絞り解放撮影した場合、円ボケの上下が欠けることがある」などが記載されており、不安要素も多い。
実際に利用してみないと使用感は分からないが、このマイナス要素のある事前告知から受けた不安を吹き飛ばすような、使用感が得られることを期待したい。なお、FT1の使用制限などは、ニコンのサイト内のこちら(Q&A「マウントアダプター FT1 使用時における注意事項や制限事項はありますか?」)に詳しく記載されている。
今回のファームウェア更新を行うことで、メニュー項目からは見えないが明らかに変わったところがある。「Capture NX2」でRAW現像したとき、以前はレンズのゆがみを補正する「自動ゆがみ補正」の項目があったのだが、Ver.1.10適用後はこの項目が表示されなくなった。
Capture NX2側の問題なのか、カメラ内でゆがみ補正しているのかどうか定かではないが、FT1を使用しない、あるいはピクセルマッピングをする必要が無いのであれば、ファームウェアVer.1.00のままで使用してみるのもひとつの方法ではないかと思う(編注:読者の方から、Capture NX2 Ver 2.3.0以降を利用することで問題が回避できることを情報提供頂きました。ニコンQ&A 2012年2月16日追記 )。
前回、Class 10のSDHCカードでは連写した場合、速度的に厳しいと感じると書いた。そこで値段がこなれてきたサンディスクのUHS-I(45MB/s)のSDHCカード「SanDisk Extreme Pro SDHC UHS-I」(16Gバイト)を購入したので、手持ちのCLASS 6、CLASS 10のSDHCカードとの書き込み速度比較を行った。
データ形式RAW/MF/マニュアル露出(絞り開放、シャッタースピード1/250秒、ISO100)で通常の連写スタートと同時に計測を行い、連写が途切れた時点(どのカードでも19枚で連写が止まった)でシャッターボタンを離し、書き込み終了するまでのタイムを5回行い、おおよその平均を出した。
製品名 | 連写終了後の書き込み時間 |
---|---|
Transcend SDHC CLASS 6 8GB | 約36秒 |
Transcend SDHC CLASS 10 8GB | 約31秒 |
SanDisk Extreme Pro SDHC UHS-I 16GB | 約21秒 |
メーカーが違うカードでの測定なので単純な比較は禁物だが、SanDisk Extreme Pro SDHC UHS-Iは手持ちのCLASS 10 SDHCカードよりも約10秒書き込み時間が短かった。また、スマートフォトセレクターの待ち時間も明らかに違うことが体感できた。さらに転送速度が速い95MB/sのカードであればさらに高速な書き込みが期待できるかもしれない。
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