続いて画質の話。
撮像素子は1600万画素のLiveMOSセンサーを搭載しているが、パナソニックのDMC-G3とまったく同じではないという。ISO感度も最高ISO25600相当まで上げられる。手ブレ補正は従来の縦横に加えて回転もサポートした5軸補正とワンランクアップ。AFはミラーレスとしては非常に高速で、タッチフォーカスと併用すればかなり快適に使える。
詳しくは製品版登場時にあらためてレビューすることになると思うが、今回は開発中ということで詳細には言及しない。ディテールのチェックはまた後日ということで(編注:試作機につき作例はフルサイズではなく1600×1200ピクセルです)。
まずはキットレンズとなるオリンパス「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-50mm F3.5-6.3EZ」で撮った写真から。このレンズ、標準ズームより広角側も望遠側も少し広く、直径も抑えられていてなかなかよい。
12mmなのでワイド端は35ミリ換算24mm相当。標準ズームより一回り広い範囲を撮れるのがうれしい。ズーミングはズームリングを前後させることで、電動ズームと手動ズームを切り替えられる。1/400秒 F10 ISO200
雨上がり直後、開く途中の花をマクロで。「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-50mm F3.5-6.3EZ」はマクロボタンを押しながらズームリングをマクロポジションにすることでマクロレンズになる。マクロ時は43mm(86mm相当)固定だが、ぐぐっと寄ることができる。これは便利。1/100秒 F6 ISO320続いて、オリンパス「M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8」を装着して撮影。AFが速い上に秒9コマの高速連写が可能なのは素晴らしい。連写した中から選んだ1枚を。
続いて、パナソニックの超望遠ズーム「LUMIX G VARIO 100-300mm F4.0-5.6 MEGA O.I.S」を装着してみた。手ブレ補正は本体側を使用。こういう望遠レンズをつけたときは、EVFがついた一眼レフスタイルの方が安定して撮れる。
さらにサルの写真を。オリンパスといえばアートフィルターである。
OM-Dでは「アートフィルターブラケット」機能がついたのだ。これが面白い。ポップアート、ファンタジックフォーカスからドラマチックトーン、さらに新しく追加されたイラストや版画のような効果を与える「リーニュクレール」。さらにアートフィルタがかかってない通常の写真もカラーモードを変えながら撮ってくれる。ひとつひとつオンオフできるので、撮っておきたいものだけオンにするとよい。
最後にOM-Dで新しく追加されたハイライト・シャドウコントロールのサンプルを。ダイヤルを回して、ハイライト部とシャドウ部の階調をコントロールできるのだ。
上記は極端な例だが、実際には微調整して構図によって最適なトーンカーブを決められる。
そんなわけで、OM-Dは予想以上にコンパクトで、ハイエンド機らしいしっかりした作りのカメラでありました。わざわざ一眼レフ風にしなくていいじゃないかという人もいるが、逆に、一眼レフ風にできるのがミラーレスの自由度であり、OM-Dくらいの性能があればこういうデザインもありだと思う。
特に有力な一眼レフを持たないオリンパスとしては(Eシリーズを愛用している方、ごめんなさい)、PENとOMという往年のブランドをデジタルで復活させ、ミラーレス一眼でラインアップを組んでいくんだという決意を感じさせてくれてよい。
ちなみに、OM-Dと呼んでいるが、製品型番は「E-M5」。初代機なのに「5」である。その理由をオリンパスに尋ねても明確な応えは得られなかったが、現在フォーサーズのフラッグシップ機が「E-5」であり、それを意識したネーミング(つまり、マイクロフォーサーズのフラッグシップ機)ではないかと思う。
製品の発売が楽しみである。
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