機能面での見所は、AF関連の機能と性能を強化したこと。AFシステムに、フラッグシップ機「EOS-1D X」とほぼ同等となる「61点高密度レティクルAF」を採用し、動体撮影にも適したスピーディなAFを実現している。
測距点は、最大41点のクロス測距点を含む61点に対応。測距点の選択モードとしては、61点自動選択AF、ゾーンAF、領域拡大AF周辺8点、領域拡大AF上下左右4点、1点AF、スポット1点AFの計6パターンを選択できる。また、AFの動作特性や機能の詳細は、メニュー画面から細かくカスタマイズ可能だ。
試用では、てきぱきと作動するAF性能の高さを実感できた。明るい場所の静止した被写体に対しては従来機と大差は感じなかったが、動きのある被写体や薄暗いシーンでのAF性能は確実にアップしている。
ライブビュー撮影時のAFについては、これまでと同じくライブモード(コントラストAF)、顔優先ライブモード、クイックモード(位相差AF)の3モードが用意される。同一条件でテストした、ライブモードでの実測による合焦時間は、EOS 5D MarkIIが約2.2秒だったの対して、EOS 5D MarkIIIは約1.5秒という数値だった。これでも快適とはいえないが、従来よりはスピードアップしている。
連写は、従来機の秒間約3.9コマから秒間約6コマに高速化した。動画はフルHDに対応し、圧縮形式として新たにALL-IとIPBに対応。記録形式はこれまでと同じMOVとなる。また、ヘッドフォン端子の搭載やタッチセンサーよる無音での設定変更など、動画関連の機能と操作性もさまざまな進化が見られる。
そのほかの機能としては、連写した3枚をカメラ内合成してHDR画像を生成する「ハイダイナミックレンジモード」や、1枚目の半透明表示を見ながら2枚目を重ねて撮影できる「多重露出機能」、ミラーを低速駆動させて作動音を抑える「静音・低振動モード」、シーンに応じて色調を自動制御ピクチャースタイルの「オート」、2軸対応の電子水準器、マルチアスペクト、カメラ内RAW現像、レンズの色収差補正などに対応する。
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