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アクティブ派におすすめ 防じん防滴ミドルクラス一眼レフ「K-30」(2/3 ページ)

» 2012年08月03日 11時46分 公開
[小山安博,ITmedia]
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幅広く、使いやすい撮影機能

 撮像素子は有効1628万画素のCMOSセンサーで、画像処理エンジンは「PRIME M」。標準ではISO12800、拡張設定でISO25600までの高感度撮影が可能。ノイズは比較的よく抑えられており、ISO6400でも実用的なレベル。ISO12800でも、シーンによっては十分使えるだろう。

 手ブレ補正機構「SR」は、手ブレ補正のほかにも、CMOSを動かしてフレーミングを微調整する機能や、左右の傾きを補正して水平出しする自動水平補正機能にも応用されている。自動水平補正機能は、SRオフで±1.5度、SRオンで±1度の補正が可能。三脚がないときにカメラを置いて長秒時撮影をする、といった場合に、微妙に水平でないところでも補正できるのは便利。三脚時の微調整にも役立つ。

 オプションのGPSユニット「O-GPS1」を装着して、撮影画像に撮影位置情報を記録したり、電子コンパスの機能を利用したりできる。天体の動きにイメージセンサーを同調させる「アストロレーサー」にも対応し、長時間露光をしつつ星の動きを追う、という動作も可能。こうした小さいながらも役立つ機能を積極的に盛り込んでくるのが、ペンタックスのカメラのいいところだ。

photophoto 構図微調整や自動水平補正、電子水準器、手ブレ補正の設定はメニュー画面から(写真=左)、オプションのアストロレーサーの設定画面(写真=右)

 撮影機能としては、初心者向けにカメラの設定を被写体に応じて自動設定する「オートピクチャーモード」や多彩なシーンモードも搭載しているが、せっかくなのでマニュアル撮影を活用したい。前後に2つの電子ダイヤルを備えているため、絞りとシャッタースピードをダイレクトに変更できるので、マニュアル撮影はしやすい。

photophoto 絞りやシャッタースピードは背面の液晶で確認できる。十字キー中央の「OK」ボタンを押すとAFポイントの移動になり、十字キーで11点から選択できる

 P/S/A/Mの一般的な露出モードに加え、Sv(感度優先)、TAv(シャッター&絞り優先)モードを搭載しているのもペンタックスならでは。Svは、ISO感度に応じてシャッター速度と絞りを調整し、TAvは、逆にシャッター速度と絞りに応じてISO感度を変動させる。特に高ISO感度での画像が安定しているので、積極的に使っていいだろう。

 カスタムイメージやデジタルフィルターといった画像加工機能も豊富に搭載しており、。「鮮やか」や「人物」「雅(MIYABI)」「ポップチューン」「銀残し」といったカスタムイメージ11種類、「トイカメラ」や「レトロ」「ハイコントラスト」といったデジタルフィルター19種類から選択できる。

 HDR撮影機能も搭載。露出アンダー・適正・オーバーの3枚を連写して合成する機能で、さらに3段階から露出幅を選択できるので、できるだけ自然なHDRから、よりHDRを強調した表現の撮影までもできる。ISO感度を細かくコントロールして暗部と明部の補正を行うD-Range設定も備えている。

多彩なカスタマイズ機能

 カスタマイズ機能が充実しているのも従来通り。モードダイヤルにはユーザーモードとして2種類を登録でき、設定を登録して素早く切り替えられる。ユーザーモードごとに、ストロボや連写、ホワイトバランスの設定など、電源オフ時の設定を記憶するかどうかも変更可能だ。

 本体左側面に搭載された「RAW/Fxボタン」はカスタマイズ可能で、ワンタッチRAW+/露出ブラケット/光学プレビュー/構図微調整などから設定を変更できる。「AF/AE-L」ボタンも、通常のAF動作に加え、シャッターボタンでのAFを無効にしてAF/AE-LボタンでAFを行う親指AFを設定できる。カスタム設定では、露出やISO感度のステップやストロボ発光時のホワイトバランス、AF微調整など、設定項目は多い。多彩な設定で自分好みのカメラに仕上げられるのも便利なところだ。

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photophotophoto ユーザーモードを登録して簡単に呼び出したり、どの設定を電源オフでも記憶しているか、といったカスタマイズも可能(写真=左)、電子ダイヤルの動きもカスタマイズできる(写真=中)、AF/AE-Lボタンの動作もカスタマイズ可能(写真=右)

 背面の液晶は3型約92万画素で、輝度・精細さともに十分であり、屋外でも見やすい。撮影時には大きな文字表示で見やすいが、高精細液晶なので、もっと情報を盛り込んでも良かったかなとも思う。

 背面左上にはライブビューボタンもあり、ボタンを押すとミラーが上がってライブビューモードになる。基本的な機能は一般的で、顔検出AFも動作する。AF速度は、典型的なデジタル一眼レフカメラのコントラストAFで、決して速くはないが、地面すれすれで撮影したり、三脚でじっくり風景を撮影する場合など、要所要所で役に立つ。

 動画撮影機能はフルHDに対応しており、1920×1080ピクセル/30fpsの動画を撮影できる。手ブレ補正は電子式になるほか、AFの動作音も入ってしまうため、ビデオカメラの代替にはならないが、必要なときに美しい動画を撮影できるというメリットはある。

 K-30はスポーティな外観にふさわしく、防じん防滴のボディで、さまざまなシーンで活用できるデジタル一眼レフカメラだ。撮像素子、ファインダー、液晶など、完成度も高く、不満点の少ないカメラに仕上がっている。

 スポーツシーンだけでなく、18種類のカラーバリエーションも用意しており、好きなカラーも選べる。カスタマイズ性もあわせて、「自分好みのカメラを自分の好きな場所に連れて行ける」製品だ。

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