では「PENTAX Q」という存在についておさらいしつつ、Q7の機能や使い勝手もチェックしておこう。
Q7はQ10と同じく約102(幅)×58(高さ)×33.5(奥行き)ミリという超小型のボディ。ボディのみでいえば、ちょっといいコンデジと変わらないサイズ感だ。レンズを装着すると奥行きがプラスされるものの、手のひらサイズなのは確かである。それでいてセンサーシフト式の手ブレ補正も装備している。
実はこのボディ、メカニカルシャッターを持たず電子シャッターのみとなっているのもシリーズ製品が継承するユニークな点。電子シャッターは最高1/8000秒だが、電子シャッターなのでローリングシャッター歪みなどが発生する。
メカシャッターはレンズによって搭載、非搭載がある。単焦点レンズ「PENTAX-01 STANDARD PRIME」や標準ズーム「PENTAX-02 STANDARD ZOOM」などAF機構を持つレンズは1/2000秒までのメカシャッターを備えているのでそれを上限としてもいいし、電子シャッターを併用してもいい。
撮影機能は「ハイエンド機のミニチュア版」といった風情で、小型ボディながら大きな撮影モードダイヤル、電子ダイヤルを備え、前部にはオフ〜4までの5段階のポジションを持つクイックダイヤルもある。このサイズのカメラとしては最高レベルの使い勝手といっていい。露出関連、ISO感度、WBといった基本作業はすべてボタン+ダイヤルで行えるし、細かい機能てんこ盛りであるが、それもINFOボタンを押してメニューを出せばすぐに操作できる。
細かい機能といえば、電子水準器、カラーイメージ、デジタルエフェクト、HDR、シャドウ補正、ハイライト補正、NDフィルタ(これはレンズ側に依存する)などなどがあり、デジタルフィルターやカラーイメージのバリエーションは豊富。
デジタルフィルタートカラーイメージの組み合わせを「スマートエフェクト」として、クイックダイヤルに割り当てられるのでいつでもフィルタをかけた撮影ができる。だからついフィルタをかけて遊びたくなる。これは面白いので作例のコーナーで。
さらに細かい事をいえば、こんなに小さなボディなのに三脚穴がちゃんと光軸上にあるとか、バッテリーやSDカードのスロットがボディの側面にあって着脱しやすいとか、ミニチュア系ボディとは思えないほどディテールまで凝ってる。
だから本気で遊んでいる感満載で、価格以上に楽しめること請け合い。ボディサイズそのままで画質が上がったことで、よりお勧めしやすくなった。メインカメラとしてはちょっと個性的すぎるが、セカンドカメラとしてデジタル写真を楽しむには最適だ。
持ち歩いても撮っても見せびらかしても楽しいカメラなのは確かである。Qは撮像素子が小さいから、とためらっていた人もQ7ならまずまずイケるんじゃなかろうか。遊べるカメラ、ユニークなセカンドカメラが欲しかった人はぜひ。この価格でこれだけ撮れてこれだけ楽しめれば「安い」といってよいかと思う。よい進化を見せてもらった。
あとはレンズ。Q7の撮像素子サイズに合わせた明るいポートレート用レンズが欲しいなと。そう思った次第。マウントが小さい分、レンズも小さくて軽くてポケットにつっこめるので、明るい単焦点レンズをもっと出して気軽にレンズ交換を楽しめる路線へ突っ走ってもらえると、一層にうれしい感じであります。
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