FZ70のボディは写真を見るとわかるとおり、しっかりしたグリップがついた一眼レフぽいスタイル。マイクロフォーサーズのLUMIX Gシリーズに近いデザインといえばいいか。
上面にはシャッターの後ろに、ドライブとフォーカスモードを操作する2つのボタンがある。高倍率ズームを買う人は基本的に「超望遠」が欲しい人であり、たぶん野鳥やスポーツ、動物、あとはまあとにかく遠くのものをでかく撮りたいわけで、動きものをとらえるには欠かせない連写や、狙った被写体をきちんと撮るためのフォーカスモード用ボタンを独立させて押しやすいところに置いたのはすばらしい。
連写は速い。フルサイズで最大秒9コマ。秒2コマ・5コマ・9コマ(ただし9コマ時は最大3枚まで)と連写速度を選べるし、AF追従連写も選べる。起動も高速で、このあたり、FZ70の性格をきちんと生かしている。親指があたる位置には電子ダイヤルがある。同社のミラーレス一眼と同様、プッシュ機能がついていて、ワンプッシュして回すと露出補正として働くのは快適。
とまあこのように、60倍ズーム機という特性を考えたデザインになっていて素晴らしいのだ。
ただ、この製品はパナソニックのWebサイトだと、「ハイエンド」のジャンルに位置づけられている。まあ他に該当するジャンルがあるかといわれれば難しいのだが、上位モデル(ズーム倍率は低いものの、全域F2.8というレンズを持つ)「DMC-FZ200」に比べると、アイセンサーを持たないのでEVFは手動切り替え式だし、EVFも約20万ドットとLF1と同等レベルと、カメラとしてのグレードが落ちるのは否めないところだ。
また、FZ200は背面モニタが可動式だが、FZ70は固定。FZ200は鏡胴部にもズームレバーを持っているが、FZ70はシャッターボタン周りだけと、カメラとしての作りにちょっと差があるのだ。60倍ズームというレンズは魅力的だが、期待しすぎてはいけないってことですな。
撮影機能はWi-Fiがついてない以外は他のLUMIXと同じ。「おまかせiA+」にしておけばフルオートながら露出補正をかけたりもできるし、明暗差が大きいシーンでは自動的にHDRがかかる。暗い場所では自動的に手持ち夜景になる。その辺はしっかりしている。クリエイティブコントロールモードでは15個のデジタルフィルタを選んで使える。
画質的にはさすがに超高倍率だけあって、トップクラスのクオリティというわけにはいかない。特にISO感度が上がってくるとディテールが荒れたりつぶれたりしてくる。それでも1台で20ミリ相当の広角から1200ミリ相当の超望遠まで撮れて、マクロもそれなりに撮れるというスーパーなデジカメである。大きくてかさばりはするし、iA時にもうちょっとシャッタースピードを早めに維持してくれるといいなと思うけれども、超望遠が可能でファインダーをちゃんとのぞいて撮りたい人にはよい。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR