ソニーの「α7 II」(アルファセブン マークツー)は、35ミリのフルサイズセンサーを搭載したミラーレスカメラだ。2013年に発売された「α7」の進化モデルという位置づけで、新たにボディ内手ブレ補正機能を搭載した。
実機を手に取ってまず感じるのは、ずっしりとした重量感だ。α7に比べて140グラム増え、本体重量は約556グラムとなった。ミラーレスカメラとしては最重量のクラスだ。外装は、トップカバーとフロントカバーにマグネシウム合金を採用。表面にシボ加工を加えたツヤ消しの仕上げで、α7よりも高級感がアップしている。
ボディの形状にもさまざまな改良が加えられた。グリップは大型化し、ホールド感が向上。シャッターボタンは、ボディ天面からグリップの上へと移動し、より押しやすくなった。グリップの上にあったコマンドダイヤルは、形状が変更され前面に移動した。
カスタマイズ可能なボタンは、天面にCボタンが1つ追加され合計10個になった。また、シャッターボタンやホットシューの色、端子カバーの形状、カードスロットの向きなども変更されている。
全体としては、より頑丈に、より高級なイメージに生まれ変わったといっていい。重くなったことは少々残念だが、大きなレンズを装着した際のバランスはいい。
最大の見どころは、光学式5軸手ブレ補正をボディに内蔵したこと。5軸とは、一般的な上下と左右の角度ブレのほかに、マクロ撮影時に生じやすいX軸とY軸のシフトブレ、そして夜景や動画撮影時に目立つ回転ブレを加えたものだ。
これまでに発売された純正のFEレンズ7本のうち、レンズ内に補正機構を持たない2本の単焦点レンズはもちろん、アダプター経由で同社Aマウントレンズを装着した際もこの手ブレ補正が機能する。またメニューの設定から焦点距離を入力することで、アダプター経由で他社マウントのレンズを装着した際も補正が可能になる。
補正にはどのくらいの効果があるのか。純正レンズの1本「Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA」を使った場合、個人的には、従来機α7では1/60秒がブレない限界のシャッター速度だった。だがα7 IIでは、1/4秒の低速シャッターでもブレなしで撮ることができた。十分な効果といっていい。
使い勝手の面では、ブレ補正の状態が液晶モニターやEVFの表示にリアルタイムで反映することや、特に気になるような作動音がないことがありがたい。
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