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本格派にも納得の仕上がり これまでの“J”とはちょっと違う「Nikon 1 J5」(3/3 ページ)

» 2015年06月02日 13時50分 公開
[荻窪圭ITmedia]
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「ぼかして撮る」を知ることはできた?

 さて「ぼかして撮る」ってことで、18.5mm F1.8のレンズ(いわゆる、50ミリ相当の標準レンズ)を付けて撮ってみた。

Nikon 1 J5 古民家に置いてあった明治時代の文書(本物かどうかはしらないが、きちんと和紙を使って糸で綴じてあり、リアルなものだ)を渋く撮ってみた
Nikon 1 J5 奥行きがある構図でメインの被写体を近くに置くとぼけていく様子が分かりやすい。神社の参道に並んでいた提灯を狙ってみた
Nikon 1 J5 古民家園に展示されている昔の機織り機。稼働品で、実演してくれていたので、その動きを高速シャッターで止めてみた

 このとおり、標準ズームレンズに比べるとはるかに背景はボケて印象的な写真になる。

 ただ、画角と絞り値が同じなら、センサーサイズが大きい方がボケは大きい。Nikon 1はセンサーサイズが1インチと小さいので、どうしてもAPS-Cサイズやフルサイズのカメラと比べると、ボケ具合の大きさ勝負では勝てない。

 もちろんNikon 1はそんな勝負を仕掛けたいわけじゃなくて、50ミリ相当でF1.8と、標準ズームに比べて明るいレンズをキットに入れることで、標準ズームに比べると背景をぼかした印象的な写真を撮れるんだよということを見せたいんだろう。

 背景がふわっとボケた写真を撮りたいけど、どうすればいいか分からないという人は多く、分かっても交換レンズ追加購入のハードルは高いと聞くので、キットにすることに意味があるのだ。それに1インチセンサーならF1.8のレンズでもボケすぎなくて扱いやすいのもいい。

 はじめてレンズ交換式カメラを使う人に対して、標準ズームと明るい標準単焦点レンズという組み合わせはアリだと思う。レンズを別途買うより安いし、18.5mmF1.8だけを付けて撮影散歩しても楽しい。

 F1.8だと多少暗い場所でも撮れるので室内撮影が多い人に使いやすいのもメリットだ。

 J5はイメージセンサーが新しくなって画質が全体に好ましい感じになり、モニターが本格的なチルト式になり、J4までに比べると撮影モードや操作系も充実して、ワンランク上のカメラになった。

 J4までのシンプルかつミニマムなカジュアル路線から、カメラ入門機的なテイストの路線に変わったと思っていい。

 細かい使い勝手や拡張性では、上位モデルのV3に及ばないが(だから個人的にはこのセンサーを使ったV4を出してほしい)、コストパフォーマンスを考えれば、ハイエンドコンデジ的な感覚で手を出しても悪くない。ボディもレンズも小型軽量コンパクトで、他のレンズ交換式カメラに比べると大仰さがまったくないのだ。

Nikon 1 J5の作例

Nikon 1 J5 10-30mmの標準ズームレンズの広角端で。オートモード(F5、1/1250秒)、ISO160
Nikon 1 J5 10-30mmの標準ズームレンズの望遠端で。オートモード(F5.6、1/1600秒)、ISO160
Nikon 1 J5 30-110mmの望遠ズームを使って昼寝してるカルガモを撮影。300mm相当の望遠になる。オートモード(F5.6、1/160秒)、ISO1600
Nikon 1 J5 オートモードで夜景と判断された。ISO6400まで感度は上がったがけっこう絵的には頑張ってる。オートモード(F3.5、1/25秒)、ISO6400
Nikon 1 J5 オートモードで猫。標準ズームの望遠端。モニタがチルトするのでカメラを地面ギリギリに置き、上を向けたモニタをみながら撮影。こういうときチルト式モニタが欠かせない。オートモード(F5.6、1/125秒)、ISO560
Nikon 1 J5 18.5mm F1.8レンズで撮影。真っ昼間に絞り開放のF1.8で狙っても、電子シャッターなので問題なし。クオリティ的にもお得なレンズだ。オートモード(F1.8、1/5000秒)、ISO160
Nikon 1 J5 クリエイティブコントロールの中に「HDR」モードがある。こちらはHDRオフ
Nikon 1 J5 HDRをオンにするとハイライト部がぐっと抑えられているのが分かる
Nikon 1 J5 日が暮れた夕刻に撮ったあじさい。暗いのでISO1800まで上がっているが、画質はそれほど劣化してない。オートモード(F3.5、1/60秒)、ISO1800
Nikon 1 J5 足下に猫がやってきたので、モニタを180度ひっくり返して、自分撮り仕様で猫を撮ってみた。オートモード(F3.5、1/250秒)、ISO160

  ISO感度をISO400から上限まで変えながら撮影ISO6400とISO12800については「NR」版も撮影した。6400 NRと12800 NRは連写+合成によってノイズを減らすモード。確かにノイズは減って滑らかになっている。

Nikon 1 J5 ISO400
Nikon 1 J5 ISO800
Nikon 1 J5 ISO1600
Nikon 1 J5 ISO3200
Nikon 1 J5 ISO6400
Nikon 1 J5 ISO6400 NR
Nikon 1 J5 ISO12800
Nikon 1 J5 ISO12800 NR
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