プロはCP+ 2016をどう見たか 荻窪圭、三井公一が気になった製品を紹介（3/3 ページ）

[園部修，ITmedia]

よく見て回らないと見落としてしまう、ワザありの製品も

――　CP+というと、カメラやレンズ以外に、アクセサリーメーカーなども多数出展していますが、小さなブースなどでも目を引いた製品って何かありましたか？

三井　ポラロイドブランドの、ZINKフォトペーパーに対応したインスタントデジタルカメラ「Polaroid SNAP」はちょっと興味を持ちました。ファインダーは簡単な枠で、トイカメラみたいな外観なのですが、シャッターを押すとその場で写真がプリントできます。写真はプリントするだけでなくて、micro SDにも保存しておけて、けっこうちゃんとしています。ポケットサイズなので、遊べそうですよ。価格は1万6000円（税別）とのことでした。

ZINKフォトペーパーに対応したインスタントデジタルカメラ「Polaroid SNAP」

荻窪　なんかよくわからないけど「自撮り傘」をうたう「Papaler」という製品があったのが面白かったです。折り畳みの傘の柄の部分が外せるようになっていて、手で握るところがスマホのホルダーに変形するんです。なんか思い付いたのでくっつけてみました、的なノリに感じましたが、ちょっと目を引きました。

折り畳み傘と自撮り棒が一体になった「Papaler」

傘の持ち手の部分が展開してスマホホルダーになる

三井　すごく小さなブースにあったんですがカムオンというメーカーの「SMARTOGRAFY」という、iPhone向けのアクセサリーが便利そうでした。ケースとLEDライトとiPhone用の交換レンズがいくつカセットになった製品です。それだけ聞くとよくあるものに聞こえますが、広角、超広角、望遠、魚眼、マクロなどのレンズがバヨネットマウントで取り付けられるのと、背面に付けられるLEDライトが、BluetoothでiPhoneとつながって、iOSアプリで色や明るさを調整できるという優れもの。iPhone用としてだけでなく、撮影時の補助ライトなどとしても活用できそうです。26日から開設されるフォトアクセサリーアウトレットでも販売するそうなので、興味があれば見てみてください。ブースはバンガードとエツミの間辺りにあります。

カムオンのiPhone向けレンズシステム＋LEDライト「SMARTOGRAFY」

　それと、ZeissブランドのiPhone用レンズもちょっと気になりました。参考出展になっていて、国内ではカールツァイスが販売するわけではないようですが、ExoLensの製品として発売されるようです。

荻窪　すごく長いポールを展示しているところがあって、面白かったな。何に使うのかよく分からないくらい長かった（笑）

三井　あと、現時点ではまだ開発中で、世界に4つしかないというPeak Designのカメラバッグ「Everyday Messenger 13"」がなんと2つも、CP+の銀一のブースで展示されています。これはかなりレアなのでぜひ見ておいた方がいいです。Kickstarterで出資を募っていたカメラバッグなんですが、仕切りが幾何学的に折れ曲がって、自由自在にレイアウトができるすごく機能的でかっこいいバッグです。

Peak Designのカメラバッグ

今年は製品展示が中心　ロードマップや参考出展がもっとあれば

――　CP+全体に関わることで、何か感じたことはありましたか？

荻窪　2015年は、けっこう参考出展された製品が多かったように記憶しています。まだ発売はしていないけど、今後こういうことをやっていきます、というロードマップが示されていたんですね。今年は、オリンパスとか富士フイルムなんかがそうなんですが、レンズのロードマップに載っていた製品が一通り発表されてしまって、まだロードマップが更新されていないんです。だから、ちょっと次が見えないというか、先が分からない。モックアップでもロードマップでもいいんですが、「次」を示してほしかったな、と思いました。

三井　DLのように、6月に発売予定の製品が今動く状態で触れるのは、それはそれですごいことですけどね。

荻窪　新製品が見られて触れるのはもちろんいいんですが、今後はこういうことをやっていきます、というのは見たかった。ちょうど製品発表のタイミングがCP+前になった、ということなんでしょうけど。

――　言われてみればその通りですね。そこは春以降に改めて発表されるのを待つことになりそうです。いろいろ面白い情報をありがとうございました。