キビキビ動作で快適撮影 ニコン「COOLPIX S630」:3万円台で買える、「イチオシ」デジカメ(7)
ニコン「COOLPIX S630」は、起動時間や撮影時のタイムラグを短縮した高速動作が特徴の7倍ズーム機。特殊な機能は搭載しないが、快適な撮影が行える。
ニコンのCOOLPIX S630は、起動時間や撮影時のタイムラグを短縮した高速動作が特徴の1台。外装はメタルボディで高級感があり、独特の「リアベントグリップ」を採用。右手側がゆるやかにカーブしたそのデザインは、構えた時の指の形にぴったりフィットし、想像以上に持ちやすい。
確かに動作は機敏で、サクサクと写真を撮れる。「スポーツ連写モード」を使うことで約11コマ/秒、最大20コマまでの高速連写も行える。有効1200万画素CCDと高画素撮像素子を搭載しているが、本モード時には画像サイズ2048×1536ドット以下、ISO感度がISO640以上に限定される。これは残念だが、それでも11コマ/秒という連写速度が役に立つシーンはありそうだ。
本体サイズは約96.5(幅)×57.5(高さ)×25.5(奥行き)ミリ、約140グラム。リアベントグリップのため、カードサイズをうたうコンパクトデジカメに比べると厚みがあり、胸ポケットに入れて持ち歩く、という感じではない。レンズは光学7倍ズームレンズを搭載。37〜260ミリ(35ミリ換算)とややテレ端側に寄った焦点距離になっている。
手ブレ補正にはCCDシフト方式を採用。さらに手ブレや被写体の動きをカメラが検出し、自動的にISO感度を上げてシャッタースピードを速めに設定するモーション検知も搭載するため、より手ブレ/被写体ブレを抑えた撮影が可能になる。
ISO感度時帯は、コンパクトデジカメながら最大ISO6400まで選択できる。ISO6400までくるとかなりのノイズで実用的とはいえないので使いどころが難しいが、必要であれば利用してもいいだろう。
カメラを被写体に向けるだけでシーンを自動判別して最適な設定を行う「おまかせシーンモード」では、ポートレートや風景、逆光など6つのシーンを検出し、顔検出をしたり、フラッシュを発光禁止にしたりといった設定を自動で行ってくれる。
顔検出は最大12人までの顔を認識し、横向きの人物の顔も認識するなど、精度は高い。笑顔になった瞬間を自動で撮影する笑顔撮影機能も備え、さらに笑顔検出時に自動的に2枚の写真を撮影し、目を閉じていないと判断した1枚だけを記録する「ぱっちり目モード」を搭載する。同様に、被写体が目を閉じていたら警告表示をする「目つぶり検出」も備えている。目を開いていても目つぶり検出することがあるが、目つぶりを検出してくれない方が不満ではあるので、多少過敏なぐらいがいいかもしれない。
料理をよく撮影する人にお勧めなのが「料理」モード。このモードに設定すると自動的にマクロモード、フラッシュ発光禁止といった設定になり、さらに十字キー上下でホワイトバランスを簡単に設定できるほか、フォーカスポイントを動かして、ピント位置を任意に設定できるようになる。
撮影後には、コントラストや色の鮮やかさを自動調整する簡単レタッチ機能も搭載。補正レベルは選択できる。逆光や光量不足を補い、暗い部分を明るく補正する「D-ライティング」も搭載する。
背面の十字キーは回転式のロータリーマルチセレクターが一体化しており、ホイールを回転させることでより素早い選択が可能で、操作性が向上している。再生時に利用できる、笑顔や人物、料理、風景といった撮影シーンごとに画像を自動分類する「オート分類再生」も便利な機能だ。
特殊な機能は搭載していないが、高いスペックと安定した操作性を兼ね備えており、高速な動作で快適な撮影が行える。「気軽に撮影したい」という、コンパクトデジカメの本質のひとつを重視したい人へ最適といえそうだ。
ニコン「COOLPIX S630」主要スペック
製品名 | COOLPIX S630 |
---|---|
撮像素子 | 1/2.33型 有効1200万画素CCD |
レンズ | 光学7倍(35ミリ換算 37〜260ミリ) |
手ブレ補正機能 | CCDシフト式 |
背面液晶 | 2.7型 約23万画素 |
記録メディア | SDメモリーカード(SDHC対応) |
動画 | 最大640×480ピクセル .AVI |
撮影可能枚数 | 約220枚(CIPA規格) |
サイズ | 96.5(幅)×57.5(高さ)×25.5(奥行き)ミリ、約140グラム(本体のみ) |
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