瞬間を手に入れる高速連写 カシオ「EX-FC100」:3万円台で買える、「イチオシ」デジカメ(8)
カシオ計算機の“HIGH SPEED EXILIM”EX-FC100は最高30枚/秒という超高速連写が最大の特徴となる1台。ほかのコンパクトデジカメではほぼ不可能な「瞬間」を切り取れる。
カシオ計算機の“HIGH SPEED EXILIM”EX-FC100は、高速読み出しの可能なCMOSセンサー「ハイスピードCMOS」を採用し、超高速連写を最大の特徴とするコンパクトデジカメだ。レンズは37〜185ミリ(同)の光学5倍ズームを搭載しながら、本体サイズは99.8×58.5×22.6ミリ、約145グラムで、最薄部は21.1ミリと携帯性に優れている。
最大30コマ/秒という超高速連写が可能で、画像サイズは最大で6Mサイズまで選択できる。ただ、連写枚数には30枚という上限が設けられているので、30コマ/秒の場合、連写できるのは1秒間だけだ。
単なる高速連写だけでなく、新たな仕組みを設けているのも特徴だ。「スローモーションビュー」は、撮影時に液晶に映る画面をスローモーションのような表示に変えるという機能。液晶上部のスローボタンを押すと、画面の動きがゆっくりになるので、速く動く被写体でもじっくり選んでシャッターボタンを押せる。連写と同じ仕組みなので、30fpsで1秒間、10fpsで3秒間といったように、スローで表示できる時間は決まっている。
複数の人物が画面内にいる撮影で、1人が横を向いていたり、1人が目をつぶっていたり、1人が笑っていなかったり、なかなかベストショットが撮影できない場合もある。「いち押しショット」は、超高速連写した中から、最適な1枚をカメラが選び出してくれる。複数人の顔検出ができるので、集合写真に適した機能だろう。
シャッターボタンを半押ししている間は超高速連写をし続け、全押しした前後の最大30コマを保存する「パスト連写」も搭載。全押しのタイミングがずれてシャッターチャンスを逃してしまっても、パスト連写なら全押しの直前から撮影しているため、安心感が高い。
パスト連写と同様に、シャッターボタン全押しの直前を記録する「タイムラグ補正」も備えている。カシオによれば、ひとが被写体を認識してシャッターを全押しするまでに発生するタイムラグと、全押ししてからシャッターが切れるまでのレリーズタイムラグをあわせると約0.1〜0.2秒のズレが発生するという。
このズレを補正するのがタイムラグ補正。最大0.3秒の補正時間を設定しておくと、時間をさかのぼった瞬間を記録してくれる。なお、パスト連写とは異なり、撮影枚数は1枚となっている。
さらに、高速連写で撮った画像を合成することでブレの少なく見える写真を作り出す「HS連写」「HS手ブレ補正」も備えている。
本体背面右上にはムービーボタンも備えており、いつでもワンプッシュで動画撮影が行える。1280×720ピクセルのハイビジョン動画を撮影できるほか、スローモーションのような撮影が可能な「ハイスピードムービー」もサポート。最大で1000fpsのハイスピードムービーが撮影が可能で、サイズは224×64ピクセル(1000fps時)までという制限があるが、風船が割れる瞬間のような高速な動きも、スローモーションのような独特の映像で表現できる。単純に撮影するだけでも非常に面白い機能で、これまでのコンパクトデジカメにはできない映像を納められる。
単にたくさんの枚数を一度に撮れる、という高速連写は単純に便利な機能だが、それをさらに応用した多彩な機能を備えているのが特徴で、さまざまなシーンで利用できる。無線LAN内蔵SDカードの「Eye-Fi」への対応や、豊富なベストショット機能、CMOSシフト方式の手ブレ補正など便利な機能も注目だが、とにかく“デジタルらしさ”を楽しめるカメラといえる。
カシオ計算機「“HIGH SPEED EXILIM”EX-FC100」主要スペック
製品名 | HIGH SPEED EXILIM EX-FC100 |
---|---|
撮像素子 | 1/2.33型 有効910万画素CMOS |
レンズ | 光学5倍(35ミリ換算 37〜185ミリ) |
手ブレ補正機能 | CMOSシフト式 |
背面液晶 | 2.7型 約23万画素 |
記録メディア | SDメモリーカード(SDHC対応) |
動画 | 最大1280×720ピクセル MotionJPEG/.AVI |
撮影可能枚数 | 約300枚(CIPA規格) |
サイズ | 99.8(幅)×58.5(高さ)×22.6(奥行き)ミリ、約145グラム(本体のみ) |
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