日本の貴重なデジタル化資料を公開している国立国会図書館デジタルコレクション(デジコレ)。本連載では、デジコレで見ることができるデジタル化資料の中からコレは! というものを探し出し、紹介していきます。
前回に引き続き、日本3大奇人というカテゴリがあれば絶対ノミネートされるであろう、奇人界のカリスマ、キングオブ奇人・宮武外骨に注目していきます。
外骨を語るに当たって外せないのが、なんといっても新聞です。20歳の時に創刊した「屁茶無苦新聞」を始め、「頓智新聞」「滑稽新聞」など、さまざまな新聞を創刊し、世間に自らの考えを広めようとしました。特に1901年に大阪で創刊された滑稽新聞は、時事問題に関する批評から、ゴシップに至るまで多種多様な情報を、毒を含んだ言葉で切るという姿勢に大衆は魅了されたといいます。
また、毒吐きだけではなく、アスキーアートや縦読みといった某巨大掲示板でよく見られる手法も取り入れていました。読者を楽しませるユーモアも取り入れるとは、なかなかの策士ですね。ちなみに滑稽新聞は、1908年に173号の発行をもって廃刊となりますが、発行禁止に先んじての廃刊だったため「自殺号」と銘打っています。
完全に挑発してるわね……。
しかも、そのすぐあとに「大阪滑稽新聞」を創刊してますからね。紹介した新聞を掲載できたらよかったんですけど、どうやらデジコレにはないようで……。
なんで紹介したのよ、気になるじゃない……。
いやー、外骨を語るに当たって絶対必要だなと思いまして。書籍にも個性的なものが多数ありますので、そちらを紹介していきましょう。
まずはこちら、1931年に刊行された『人面類似集』です。この本では人の顔に似た、動物だったり、昆虫、はたまた空想上の生き物まで、外骨が「似てる」と思ったものが写真やイラスト付きで掲載されています。
こちらは『明治奇聞』という、明治時代に発行された新聞から奇妙な記事を抜き出しまとめたものです。
それと、こちらの『明治奇人伝』には、外骨のことが細かく書かれているので紹介しておきます。書いたのは川柳作家の阪井久良伎という人のようです。
なんだか、『明治奇人伝』にすべて奪われた感じね。
ま、まあ、昔の文体は読み慣れないと辛い場合もありますし……。とにかく、外骨の奇人っぷりが伝わってもらえれば私としては満足です。インプレスの「NDL所蔵古書POD」では、デジタルデータから印刷・製本したものを買えるので気になった人はチェックしてみてください。それでは、また次回。
『人面類似集』http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1465483
『明治奇聞』http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1146713
『明治奇人伝』http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/778789
(出典=国立国会図書館)
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