特集:第2回 Eclipseで始めるiアプリ――環境構築編dev Java(1/7 ページ)

Eclipseは、誰もが認めるほど強力なJavaアプリケーション開発ツールとなった。ほかでもなく、Javaアプレットが動作するNTTドコモのケータイ「iアプリ」開発にも効果的だ。この特集全3パートでは、iアプリ開発のための環境構築から、基本的なプログラミングまでを解説していく。

» 2004年07月15日 13時55分 公開
[きしだ なおき,ITmedia]

 この特集は、「特集:Sunを隠すEclipseの真価」連載の第2回目として、全3パートに分けたiアプリプログラミングの手法について解説していく。

iアプリ登場から3年半、Eclipse開発がスタンダードに

 登場当初はスクラッチ開発が当たり前だったiアプリのプログラミングは、リソースが拡大されたFOMAや505シリーズの登場でひと昔前のゲーム機と同じ程度の質と速度で動かせるまでになりました。端末の液晶パネルは解像度が大きくなり、赤外線ポートやCCD/CMOSカメラ、FeliCa搭載など、さまざまな機能を採り入れてきました。それと共に、iアプリからもデバイスが扱えるよう、iアプリのライブラリ「DoJa」も機能拡張されているのです。

 iアプリの開発環境は、NTTドコモから提供されていますが、これはエミュレータと構築ツール(SDK)だけです。このため、ソース記述には基本的にテキストエディタを使う、というのが常でした。しかし、Javaアプリケーション開発環境としてEclipseは、iアプリにも効果的であり高機能化されたDoJaライブラリを使いこなす上でも見逃せないものとなっています。

Eclipseは、エディタベースが常とされてきたJavaプログラミングの敷居を下げてくれた

 また、EclipseはJavaコードを記述するためにさまざまな支援機能を搭載しています。その高機能ぶりは、機能統合を除き商用開発環境に迫るほどです。そのため、今では多数の開発者がJavaの開発環境としてEclipseを使っています。この特集は、Eclipseを使ってiアプリ開発を効率化するための構築とノウハウを解説します。すでに「特集:第1回 いまから始めるEclipse−Windows、Linux対応機能ガイド」でも解説をしているので、こちらも合わせて読むとよいでしょう。

見 出 し 一 覧
1. iアプリ登場から3年半、Eclipse開発がスタンダードに
2. 基盤となるJava2SE SDKダウンロードとインストール
3. 現時点ではEclipseに枯れたバージョン2.1を使う
4. Eclipseインストールはフォルダ配置のみ
5. NTTドコモサイトからiアプリ作成ツールのダウンロード
6. iアプリ作成ツール「iappli Development Kit for DoJa-3.5(FOMA)」のインストール
7. Eclipse起動と初期設定
8. DoJaプラグインの設定
9. iアプリ向けのプロジェクト作成
10. 次はプログラムの記述へ
11. iアプリのためのDoJa設定
12. PC上のケータイエミュレータで実行
13. ケータイ実機実行には「.jar」と「.jam」をサーバに配置

基盤となるJava2SE SDKダウンロードとインストール

 DoJaの動作環境は、Java2SE1.3.1SDKに対応しています。2004年7月現在、最新版であるJava2SE SDK(Java2SE1.4.2_05SDK)でも問題なく利用できるので、新たにインストールする場合はこちらを使った方がよいでしょう。また、Java2SE1.3.1と比べると、Java2SE1.4.2の実行効率改善が見逃せません。本稿でもJava2SE1.4.2_05で動作確認していきます。

 なお、Java2SE SDKはサン・マイクロシステムズのサイトからダウンロードできます。ダウンロード後はインストーラーに従ってインストールしてください。ちょっとしたTipsですが、無用な問題を避けるために、半角スペースを含まないフォルダにインストールしたほうがよいでしょう。

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